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私たちは個人戦ではなく団体戦――意識の違い

――Bさんも時を同じくして脱退しました。やはり個人情報の特定が理由だったのでしょうか。

Kyoko いえ、Yahoo!に載った日、Bさんはすごく喜んでいたんです。

もものり Bさんは自分のやりたいことが決まっている方でした。その分、思いもすごく強くて。たとえば次の曲は『メタババース』というタイトルが決まっているんですけど、「“ババア”というのは私のブランディングには合わない」とおっしゃっていたんです。

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ぴろりん 「“ババア”なんて歌ってみんな大丈夫なの?」と。でも、ババアが歌うんだから『メタババース』でいいじゃないですか、と私たちは思っていた。今年の流行語大賞の候補にもなるかもしれないし、いま歌わなくてどうするんだと。クラウドファンディングについても、Bさんは自分のフォロワーさんにお願いすることは絶対にできないということで、宣伝に協力してもらえることはありませんでした。

©文藝春秋 撮影/末永裕樹

Kyoko 私たちが今着ているTシャツも着てくれなくて、GoziUの活動はもうやりたくないのかなと思っていたんですけど……。でもYahoo!に載ったことで新曲の練習もすると言って、すぐに録音して作曲家に生歌も送っていたんです。

ぴろりん その直後に自己紹介動画をYouTubeにアップしました。メンバーそれぞれが撮影したものを、見てもらいやすいように短めに編集していたのですが、翌日にBさんから「私の自己紹介が半分カットされてる、なんで!?」と連絡が来て、その流れで脱退するということになりました。あと、紹介動画の一番手は私で、それ以前にアップしていた歌動画のサムネイルはもものりちゃんだったんです。どちらもたまたまだったんですけど、それも気に障ったみたいでした。

Kyoko 彼女はこの活動を個人戦だと思ってるんだな、と思いました。私たちは団体戦だと思っていて、アラフィフみんなで元気になろうよと思っている。そこの違いだったのかな。

©文藝春秋 撮影/末永裕樹

ぴろりん 脱退後も、Aさんが「一緒にやめよう」と他のメンバーを誘っていたり、Bさんは私たちのクラウドファンディングについて否定的なツイートをし続けていたりと、いまも関係性が良くないのは事実です。

Miyuki でも、その騒動があったからこそ、今のチームワークは引き締まっていると思います。振り返ってみると、それまではチームとしてバラバラだったというか。

Kyoko 8人の歌を聞いて支援してくださった方には申し訳ないという気持ちもありますが、それが原動力になってクラウドファンディングも最後までがんばれました。もう一人、家族の反対やプライバシーへの不安から辞めたCさんを引き止めきれなかったのは残念でしたが、今はきちんと前を向いて進めています。

ぴろりん そこは覚悟の差でもあるのかなと思っています。