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デビュー20周年の息子・直太朗さんとの共演秘話

――先日はNHK『SONGS』(4月21日放送)で、息子の森山直太朗さんのデビュー20周年特集に一緒に出演されていました。直太朗さんのご活躍や成長をどのように感じていらっしゃいますか。

森山 最初のうちは彼のコンサートが終わると、ハグしながら「お疲れ~。(ぼそっと)カ・ツ・ゼ・ツ」みたいな感じで一言言いたくなっていました(笑)。ただ彼も随分大人になって、昨年コロナになってとてもつらい思いをしたことも、本人にとって大きな転機になったようです。

「NHK SONGS」のツイート。番組で紹介された心に残る母の言葉は「人生は長いわよ」。

――場合によっては歌手生命に影響を及ぼすのではないかと、不安な思いが常にあったのではないでしょうか。森山さんもどれほど心配されたことかと思います。

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森山 実は病院には入れず自宅療養だったのですが、ご飯が食べられるまでは心配でした。玄関にお夕飯を置いて帰るくらいしかできることがなかったのも切なかったです。

 ただ本人は、生と死を考える中でこの経験を糧にしていこうと思えたようなので、前に進むことができたのかなと。

家族が行き詰まったら、祈るだけ

――直太朗さんが仕事で行き詰まったときは、業界の先輩である森山さんが相談にのるのでしょうか。

森山 私はただ祈るだけ(笑)。親ができることなどないですし、たとえ私が手を貸して仕事がきたとしても、それを継続させるのは自分の力しかありません。この世界は本当に厳しいです。だから、「頑張れ~」と念じるだけですね(笑)。

――では直太朗さんご自身の力で「さくら」(2003年)をヒットさせたときは嬉しかったのではないでしょうか。

森山 嬉しかったと同時に、調子に乗ったりしないかが心配でした。「ちょっと鼻、高くなってきてない?」とチクチク聞いていましたね。

――直太朗さんのご活躍や『カムカムエヴリバディ』での演技、そして小木さん、清水ミチコさんと、森山さんへの入り口が年々増えています。

森山 ただ歌っていれば幸せだったのに、こんなことになるとは思いませんでした(笑)。予期せぬ出来事や出会いが自分を想像もしない場所に連れて行ってくれるものですね。

 オギとの会話も清水ミチコさんのモノマネも、私にとっては全部楽しいこと。だから私の方が得をさせてもらってるんです。

コンバースのスニーカーに合わせたシャツはコムデギャルソンのもの。「お店でメンズサイズと聞いて、『でも、ちょっと着てみたい』って。私の服です」

写真=鈴木七絵/文藝春秋