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「ゆっくり、焦らず」阪神“背番号29の後輩”髙橋遥人に伝えたいこと

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/05/21
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不安が払しょくできれば、野球がもっと楽しくなる

 彼にはこれから、長いリハビリ生活が待ち受けています。トミー・ジョン手術の場合、早くても復帰までは1年半かかると言われていますから、彼が戻ってくるのは2023年シーズンの終盤以降。

 僕自身はそこまで長いリハビリを経験したことがないのですが、オリックス時代の2012年秋に左ヒジの遊離軟骨と骨棘、いわゆる“ネズミ”の除去手術を受けたことがあります。

 この時意識したのが「ゆっくり、焦らずリハビリする」こと。

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 周囲に言われたペースよりもむしろ“遅め”の調整を意識して、ヒジの不安を完全に払しょくすることに努めました。

 リハビリが明けたとき、ずっと付き合ってきたヒジの不安がなくなって、腕も思いっきり振れるし、ボールも良くなって、野球がすごく楽しくなりました。

 髙橋投手もプロ入り以降、いろんなところに“不安”を抱えたまま投げ続けてきたはずです。1年半のリハビリを「焦らず」やるのは難しいかもしれないけど、ここはこれまでの不安を完全に吹き飛ばす意味でも、なるべく完全な状態で戻ってきてほしいですね。

 トミー・ジョン手術の場合、リハビリ期間で身体の強化もできるので球速が上がる投手もたくさんいます。ただ、復帰1年目はベストな状態に戻すのが難しいケースが多いので、2年目以降、それこそ2024年、2025年に完全復活できればいい、くらいの気持ちで頑張ってほしい。

 ヒジも含めた不安がすべてなくなった彼がどんなボールを投げるのか楽しみですし、また甲子園であの“エグい”ストレートが見られる日が来るのを、僕も“焦らず”に待ちたいと思っています。

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