文春オンライン

“コツコツ型”は純烈と似てる? 巨人の捕手・大城卓三がもっと評価される日

文春野球コラム ペナントレース2022

大城卓三は過小評価されている?

 インターネット上では絶えず、十人十色の意見が飛び交っています。自分が表現したものに対して、必ずしも好意的に受け取ってもらえることばかりではありません。でも、僕はそれこそ人間らしくて面白いと感じます。

 先日のコラム『巨人・小林誠司選手は、なぜあんなに叩かれなきゃいけないのだろう…』を書いた時もそうでした。ヤフコメに「否」の意見を目にすると、「自分のコラムをきっかけに、こんなに熱く持論を語ってもらえるんだな」と実感できるのです。なんJにはスレッドが立ち、いろんな方々がコラムの感想を書き込んでくださっていました。たとえ自分と考えは異なっていても、同じ野球ファンとして熱い血が流れているのだなと感じることができました。

 そのなかに、こんな意見を多く目にしました。

「小林に比べて、大城は過小評価されている」

 僕からすると思ってもみない反響でしたが、言われてみれば……と腑に落ちるところもありました。

大城卓三

 今の巨人の正捕手は、どう見ても大城卓三選手です。僕は大城選手が正捕手に座り、小林選手が控える今の捕手体制は理想的とすら思います。

 でも、その実力と実績とは裏腹に、大城選手が広く認知されているかと言われればどうでしょうか。僕のオカンのように野球にあまり関心がない人に「巨人のキャッチャーは誰か知ってる?」と聞いても、おそらく今も「阿部(慎之助)さん?」という答えが返ってくるでしょう。

 大城選手を語る時、「バッティングがいいキャッチャー」と評されがちです。もちろん、大城選手の打撃は素晴らしい。でも、見落とされがちですが、守備だって昨季の守備率.999、盗塁阻止率.447はともにセ・リーグ1位の成績なのです。

 大城選手は入団2年目までは控え捕手でしたが、2年目の2019年は62試合でマスクを被ってリーグ優勝に貢献。3年目の2020年は小林選手、炭谷銀仁朗選手(現楽天)と元WBC代表を抑えて正捕手に。チームをリーグ連覇に導き、ベストナインを初受賞しています。昨季はリーグ3位だったものの、捕手として前述の守備成績を残し、11本塁打を放ちました。

 こんな立派な実績を積み上げているのだから、もっと評価されるべき――。大城選手のファンはそう訴えたいのではないでしょうか。

瞬発型の小林、コツコツ型の大城

 これは完全に僕の主観ですが、大城選手には「損する条件」が揃っているように感じます。

 現時点での大城選手は「最大瞬間風速」のパフォーマンスを見せるタイプではないように思えます。一方で、小林選手はとてつもない最大瞬間風速を見せる選手です。2017年WBCでの「世界のコバヤシ」と呼ばれた大爆発や、オールスター戦で高橋由伸監督から激しいツッコミを受けたホームラン。

 プロでの公式戦通算本塁打数は大城選手が32本で小林選手は15本とダブルスコアの差があるのに、野球ファンに与えたインパクトは小林選手が圧倒的に強い。打っても打たなくても人を惹きつける小林選手の強烈な「星」が、皮肉にも大城選手の影を薄くしているのかもしれません。本当はすごく体の大きな人なのに、誰の隣に立つかで背が低く見えてしまう。あの現象と同じです。

 芸能界も一瞬の瞬発力で人生が決まるように感じます。1曲のヒット曲で残り続けるアーティストなど、まさに最大瞬間風速タイプでしょう。

 僕が所属する歌謡グループ・純烈は、超コツコツ型です。紅白歌合戦に出場するまでに結成10年以上の時間がかかりました。一瞬で輝ける人に憧れるとともに、コツコツ型としての誇りもあります。だからこそ、コツコツと実績を積み上げようとしている大城選手に勝手ながらシンパシーを覚えてしまいます。