いつの時代も作家は変わり者?
――やっぱり文豪って変な人が多いんでしょうか……?
菊池 たぶん真人間もいるんでしょうが、そういう人の裏話は語り継がれないんだと思います(笑)。ただ菊池寛は、彼に世話になった人が多いぶん、人柄を褒めるようなエピソードがたくさん伝わっています。「若い書き手が自由に書ける場を」という思いで文藝春秋を創刊しましたし、日本文藝家協会の初代会長も務めましたし、文学者が文学だけで生活するためにはどうすべきかを考えてきた人でした。それが『めぞん文豪』での「作家のためのシェアハウスを用意する」というキャラクター造形にも繋がっています。
――近代文学の作家たちは、強烈なエピソードをいくつも残しています。それは時代によるものだと思いますか? それとも作家とは、いつの時代も大なり小なり変わり者なのでしょうか?
菊池 どの時代も作家は変わらないと思います。特に文学のジャンルでは、金銭的な成功を収める可能性はほぼありません。それでも文学を志す人たちは、やっぱり覚悟が決まっています。だから将来は、平成・令和の作家たちが「昔の作家はすごかった」と言われているかもしれませんね。
神田 どこか変な人だからこそ、おもしろい作品が書けるということもあるでしょうしね。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
菊池 『めぞん文豪』を読んでくださった方々が、文豪たちの熱を感じて自分でも何か作ってくれたらすごくうれしいです。
神田 アニソンの作詞をして印税を稼ぎたいので(笑)、アニメ化を目指してがんばります!
河尻 私は1話1話をしっかり描いていくだけです。ぜひご興味があれば読んでみてください。