大人が子供のためにできること
でも、最近は小学生から「プライベートゾーンは人に見せない、触らせない」という性教育もされていますし、子どもを犯罪から守るために、「いかのおすし(ついて“いか”ない、車に“の”らない、“お”お声を出す、“す”ぐにげる、おとなの人に“し”らせる)」という標語もよく耳にするので、少しずつ啓蒙は進んでいる気がします。
あとは、見た目や雰囲気で判断できる部分もあるかもしれません。私は小学校高学年の時、めっちゃモテていたんですけど、大きくなってから当時私のことを好きだと言ってくれた男子に聞いたら、「大人っぽいところが好きだった」と言われました。
自分では気づきませんでしたが、ツカサについて、「母といつか別れると思ってたのに再婚することになった」とか、「警察にいっても何もしてもらえない」と思っていて、「自分が望むことは何一つ叶わない」と思っていたところがあって、達観しているように見えたのかもしれません。だから、年齢より妙に大人じみたところがある子は、周囲が少し気にしてみてあげるとよいかもしれないです。
性暴力は何年経っても何十年経っても傷が癒えない
──あとがきで、「性的虐待を受けても、あなたは幸せになる権利を奪われてはいない」と書かれています。いま、魚田さんはたくさん幸せを感じていらっしゃいますか?
魚田 はい。夫や子どもたちといる時間も幸せですし、書籍を出していただけたことも、たくさんの方が私の本を読んで希望や共感を持ってくださることも幸せです。あと、コロナ禍でずっと行けなかった推しのライブにやっと行けるようになったのも、この上ない幸せです。
性暴力は何年経っても何十年経っても傷が癒えないこともありますが、私の体験談を読んでくださった方が少しでも元気になれるよう、これからも発信し続けていきたいです。