2月3日に発売された『私のことを憶えていますか』最新8巻が「キュンキュンしすぎる」と話題の東村アキコさん。2月19日の「王様のブランチ」(TBS系)に登場します。東村さんのお仕事場に、以前から親交のあるニッチェのふたりが潜入して普段は見られないマンガ制作の裏側に迫る!?
オンエアを記念して、東村さんへのインタビューを再公開します。(全2回中の1回目。後編を読む)
(初出2021年3月2日。日付、年齢、肩書きなどは掲載時のまま)
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『東京タラレバ娘』『偽装不倫』など多くの名作を生み出してきた東村アキコさん。自身の初恋に着想を得て描いた新作マンガ『私のことを憶えていますか』が早くも話題となっています。
ゴシップサイト編集部のライターとして休みほぼなし、昼夜問わず働く遥(はるか)は、30歳の誕生日に推し俳優SORAの熱愛が発覚してショックを受ける。その場で同僚に“遥が好きになる芸能人は皆顔が似ている”と指摘され、なぜかと考えていたら18年間忘れたままだった「あの子」の記憶が蘇る。3歳下の子が好きだと言えずひた隠しにした初恋。同僚が見つけてきたSORAの子供時代の写真は、まさしくその「こうちゃん」にそっくりだった。
東村さんにとって、初恋の「あの子」はどんな存在だったのか。自身の初恋についての思い出や、作品に込めた思いを聞きました。(全2回中の1回目。後編を読む)
初恋をふと思い出したことが、今回の漫画を描くきっかけ
――『私のことを憶えていますか』(以下、『わたおぼ』)は実話に着想を得た作品だとお聞きしました。どこまでが「実話」なんですか。
東村アキコ(以下、東村) 私の作品はだいたい自分の「実話」か、身近な人の「実話」がベースになっていて、今回のベースは私の初恋です。この話を書こうと思ったのは、私が自分の初恋を思い出したからなんです。
小学校6年生の時に、近所に住んでいる男の子が好きだったんです、私。でも大人になるまでそのことを忘れていて。ある時ふと思い出したことが、今回の漫画を描くきっかけとなりました。
いつか描こうと思って、ずっと大切に温めていました。
――「初恋」は、大人になると貴重な思い出ですよね。いつ思い出されたのですか。
東村 40歳の時です。私の場合は、突然思い出したんですけど、誰にでもきっと「初恋の思い出」があって、それを大切に持っているんじゃないかと思ったんです。自分の初恋の話をベースに、みんながそれぞれ頭の中に思い浮かべるであろう「初恋のあの子」を描けたらいいなと思って、そこから長い時間をかけて構想を練ってきました。