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 彼女の不安は的中し、翌年の夏は記録的猛暑になり部屋の温度を上げつづけた。夜はクーラーを朝までつけたまま寝ても、汗だくで目覚めていたという。

「ちなみに、冬は窓ガラスから外に熱が出てしまうので、底冷えしました。夏は暑く、冬は寒い……とにかく生活しづらかったです。すぐにでも退去したかったんですけど、1年未満で解約すると違約金をとられる契約だったんですよね。引っ越したばかりでお金もなかったので、結局2年近く住みました」

 当時を振り返り「浅はかでした」とため息をつく時田さん。その後、施工のミスでサンルームの床が腐りかけていることが発覚し、退去を決めたそう。

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「一軒家の場合は、サンルームがあっても寝室と離れているから問題ないのかもしれません。でも、うちのように居住空間の隣にサンルームがあると、部屋全体に影響があるみたいです。正直、物置きにしかならなかったし、私には無用の長物でしたね」

 それでも利点があったかと聞くと、こう答えてくれた。

「サンルームに観葉植物を置いていたら、凄まじい勢いで育ちました。鉢植えから根っこがはみ出るくらい。植物を育てたい人にはおすすめかもしれません」(時田さん)

サンルームに置いていたら、「凄まじい勢いで育った」観葉植物(時田さん提供)

「実際はすごく不便」オシャレな物件についているアレ

 時田家のサンルームのように、住んではじめて「不便さ」を感じた設備への不満はほかにも寄せられた。

「ロフト付き物件はもう一生住まないと思います。ロフトを寝床にすると、夏はエアコンの冷気が届かなくてめちゃくちゃ暑いし、いちいち昇ったり降りたりするのも面倒。結局、下のフロアで寝てました」(23歳・男性)

「ベランダに洗濯機を置くタイプの部屋に住んでいました。そのベランダには屋根がなく、洗濯機の劣化が早いのが気になってました。そして、ある年の冬に大雪が降ったときに、ベランダに雪が積もって洗濯機が雪に埋もれたんです。

 水道も凍結しちゃって使えず、仕方なくコインランドリーに行ったときは『私、なにやってんだろ』って思いましたね」(26歳・女性)

壁が薄すぎて…

 そのほか、もともと物件の状態が悪かったために、生活に支障が出るケースもある。

「私が住んでいた築50年のアパートは、壁が薄すぎて外を歩いている人の足音が聞こえました。夜な夜な、2部屋隣に住んでいる大学生が熱唱しているのもよく聞こえるので、彼の歌声に合わせてBUMP OF CHICKENの『天体観測』を合唱したこともある」(26歳・女性)