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戦争で征服された町での“女性の自立”を描く…司馬遼太郎、幻のデビュー作を現在によみがえらせたコミカライズの想像力

『ペルシャの幻術師』2巻発売記念 蔵西さん×高木小苗さん対談<前編>

2022/05/20

source : 文春コミック

genre : エンタメ, 読書

note

ボルトルは新しいもの好きのチャレンジャー

高木 漫画のボルトルは、当時のモンゴル人のように頭を剃っていませんね。

 

蔵西 史実のモンゴル軍の人たちは、頭を剃ってることが多いんだけど、ここも愛される造形を重視して。

 メインキャラのひとりが、頭剃ってるとどうしても画面が締まらなかったのです。でも、まわりのモンゴル兵の人たちは剃っています。

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 ボルトルは、奇抜な人で、現地の文化になじもうとするところもあるんですよね。新しいことが好きで、チャレンジする人というキャラクターでもあります。

高木 当時のモンゴル人がほとんどしないはずの湯浴みもしている。原作にもそういう描写ありましたものね。

湯浴みを気に入るボルトル(『ペルシャの幻術師 1』より)

蔵西 でも、ナンはわかってくれない。原作には、一瞬ボルトルの愛を感じる描写もあるんだけど、それもアッサムが現れたからなのかなくなって……。愛が実らないボルトルにがんばれって思ってしまいます!

◆ ◆ ◆

 こちらはインタビューの<前編>です。<後編>を読むにはこちら

 堂々完結となる『ペルシャの幻術師 2』5月20日より発売!

 1巻も大好評発売中です。

ペルシャの幻術師 2

司馬 遼太郎 ,蔵西

文藝春秋

2022年5月20日 発売

ペルシャの幻術師 1

司馬 遼太郎 ,蔵西

文藝春秋

2021年12月15日 発売

人物撮影/釜谷洋史 

戦争で征服された町での“女性の自立”を描く…司馬遼太郎、幻のデビュー作を現在によみがえらせたコミカライズの想像力

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