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病気や労働中の事故で亡くなる労働者が続出

 そんな彼女らを追い詰めたのが新型コロナだ。20年1月、北朝鮮は感染拡大を防ぐため、中朝国境を封鎖した。それゆえ契約終了後も北朝鮮に帰れず、彼女らは極限状態に陥った。

「ただでさえ外出も禁止された団体生活を強いられ、粗末な食べ物で働かされている。もちろんインターネットも禁止。延吉市の縫製士の中には、8年間も勤めている女性もいる」(亡命者)

 その結果、病気や労働中の事故で亡くなる労働者が続出しているという。

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「本来なら病院で治療を受ければ治る人もいるが、お金が無いので行けず、亡くなってしまう。葬儀もまともに出来ず、瀋陽市の遼寧病院には42人の遺体が放置されている」(同前)

自殺の要因の一つは“恋愛禁止”の掟

 自殺者も増えた。昨年12月には人造石の加工工場で働いている20代後半の女性労働者3人が、アパートの11階から一緒に飛び降りた。“恋愛禁止”の掟も自殺の要因の一つだ。丹東市の工場で働くある女性は、妊娠が発覚した後、総和(総括)の時間に同僚から厳しく批判を受け、交際相手の男性と共に身を投げて自殺した。今年2月には瀋陽市の合弁会社の職員の男女も、総和で交際していることを自我(自己)批判させられ、自殺を選んだ。

 だが金正恩が問題解決に動く気配はない。前出の亡命した高官がこう嘆息する。

「指導部はコロナが収束するまで中朝国境は遮断したままにする意向です。国外の労働者たちは本国から見捨てられたも同然なのです」