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「上本崇司さんの姿を見ると…」広島・大瀬良大地はなぜ登板翌日もバント練習をするのか

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/06/02
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「僕は、相手の配球などを考えて打っていくタイプです」

 カープ打線の心意気は、「9番・ピッチャー」で分断されることはない。投手陣のシャープな打撃は、チームの一体感の象徴である。

 開幕から投打で好調の床田は、バッティングの話に目を輝かせる。「とにかくヒットを打ちたいと思って打席に入っています。結構、僕は、相手の配球などを考えて打っていくタイプです。攻め方をイメージして打席に入ります。わりと当たることもありますよ」。ニヤリと笑った笑顔には、自信だけでなく野球少年の純粋さが垣間見えた。

 そこは迎打撃コーチも認めるところである。「床田は、去年の対戦などをよく覚えています。どうやられたかも記憶しています。そこも踏まえて打席に入ってくれています。(打撃に)興味があるからこそでしょうね」。

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 そんな投手陣だからこそ、打撃コーチ陣も、狙いを含めて積極的にアドバイスを送る。

 エースのバント練習。その姿が、投手陣全体の攻撃への意識を高める。そこから、打線がつながる。その心が、野手のハートに火をつける。

 豪快なホームランではないかもしれない。堅実なバント、着実に上位打線につなげるバッティング、ボディーブローのようにダメージを与えるファウルでの粘り……。

 2022年の交流戦も中盤戦に突入した。今週のカープは、地元・マツダスタジアムの6連戦である。投げて、打って、チームに流れを呼び込む。ひたすらフォア・ザ・チームでバットを握る「9番・ピッチャー」の打席が、逆襲の旗印になるかもしれない。

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