現地時間5月22日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手(27)がオークランド・アスレティックス戦に「1番・DH」でスタメン出場し、一回の第1打席に日米通算150号となる本塁打を放った。

 打球飛距離443フィート(135メートル)と今シーズン最長の特大弾となった大谷。圧倒的強さの秘密はどこにあるのか。ストイックな大谷の生活について報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:週刊文春2021年7月15日号、年齢、肩書等は掲載時のまま)。

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「MVP! MVP!」

 エンゼルスの大谷翔平(27)が打席に立つと、敵地でもMVPコールが鳴りやまず、相手投手が四球でも出そうものなら大ブーイング。その人気は全米で沸騰中で、史上初、投打両方でオールスターゲームに選出された。絶好調の陰にある「三ない革命」とは――。

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打撃練習をしない

「今シーズン、大谷選手は見るからに身体が大きくなりましたが、これは高校時代から愛飲しているココア味のプロテインと筋力トレーニングの賜物でしょう」

 そう解説するのは、ロサンゼルス駐在のメジャーリーグ担当記者。ただ、鍛え上げた身体のおかげで本塁打が量産できているのかと言えばそうではなく、むしろ打撃練習をしないことに要因があるという。

7月5日に27歳になった大谷

「野球が好きすぎる大谷選手は、いつも監督から『練習しすぎだ』と注意されていました。今季は本格的二刀流でほぼ毎試合出場ですから、疲労をためないことに重きを置いているようで、試合前の打撃練習にはまず出てこない。自身も以前『数を振ると、その分疲労がたまる』と語っており、試合でエネルギーを爆発させることに注力しているようです」(同前)

報道陣に対応しない

 2つ目は、報道陣に対応しない、だ。他球団の日本人選手の場合、投手なら登板前日と当日、野手ならある程度活躍すると球団が取材時間を設けてくれるが、

「大谷選手の場合、本塁打を1本打ったくらいでは出てきません。ヤンキース相手に2本も本塁打を打った6月29日も『明日が登板日だから集中したい』と出てこなかった。取材を要望しても、専属通訳の水原一平さんが1〜2問、代わりに質問をして、それに答えた音声ファイルがメールで送られてくるだけ。他選手が応じているZoom会見の頻度は相当少ない」(同前)