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上野樹里36歳に『のだめカンタービレ』から16年…「素で演じている」という評判に「ちょっとむかつく」理由とは?

5月25日は上野樹里の誕生日

2022/05/25
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義母・平野レミの教え

 地に足のついた生活をするなかで、自然な演技ができる俳優こそ、上野が目指すところであった。そんな彼女も、かつては仕事のために生活を犠牲にして、自分を追い込むことがあったようだ。しかし、2016年に結婚して家庭を持ったのをきっかけに、《幸せな状態でも甘えたり手を抜いたりせずに、仕事に専念すればいい。その方が人間として味わい深くなるのかな、と考えが変わりました》という(※4)。

(左から)和田明日香、平野レミ、上野樹里 ©文藝春秋

 こうした意識の変化には家族の影響もあるのだろう。夫はよく知られるようにロックバンド・TRICERATOPSのボーカルの和田唱で、結婚当初より義父母であるイラストレーターの和田誠と料理愛好家の平野レミ夫妻の家に、義弟夫婦(妻は食育インストラクターの和田明日香)ともども集まっては、食事や会話を楽しんできたという。とりわけ平野から教えられることは料理をはじめ多いようだ。あるインタビューでは、《私は14歳のときに母を亡くして、料理を教わる時間もなかったんです。だから今、レミさんからいろんなことを教わっているのがすごく楽しくて。そのために出会ったのかな、とさえ思うんです》と語っているほどである(※6)。

連続テレビ小説『てるてる家族』(2003~04年)

 上野のSNSや生活情報誌『ESSE』での連載エッセイからは、彼女が日々、楽しみながらも丁寧に暮らしを営むさまがうかがえる。その生活感覚は『監察医 朝顔』をはじめ演技にも反映されていることは間違いない。丁寧な生活を土壌に、情熱を注いで役作りしているからこそ、彼女の演技はますます説得力をもって見ている者に迫る。

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※1 『ESSE』2020年9月号
※2 『AERA』2006年12月11日号
※3 『週刊朝日』2008年3月21日号
※4 『ESSE』2020年3月号
※5 『週刊文春』2008年2月28日号
※6 『ESSE』2019年1月号

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