「この人は本物のNo.1だったんだな」
――それからお互いに意識し始めたと。
加島 そうですね。恋人と言うよりはとにかく“波長が合う”感覚でした。次の日から彼は海外旅行に行ったんですが、旅先からも毎日写真が送られてきて。「いまこんな感じだよー」とか「次いつ会える? 帰ったらまた早く会おう~」って。
今思えば彼からのアプローチだったのかもしれないのですが、それまでLINEでもずっと敬語だったし、私的な連絡のやりとりはほとんどしていなかったので、「急にどうしたんですか? 酔っ払ってるんですか?」って、ジョークとして受け取っていました。
次に会う約束も、何となく言っているんだろうなと思っていたので「そうですね! タイミングが合えばまた!」と。冷たいですね、私(笑)。でも、そのくらい私も自然と気取らず無理のないやりとりができて、はじめての2人での食事の時間も居心地がよく、もしかしたらこの人とはすごく合うのかもしれないなと思うようになりました。
――ホストだった過去を知らなかったのが、逆に城咲さんにとって新鮮だったと。
加島 どうなんでしょう。珍しいタイプだったかもしれないですね。そもそもホストクラブに行ったこともなく、夜の歌舞伎町というだけでなんか怖いイメージがありました。でも、彼の当時の友人や後輩、周りの方々が現役時代の数々の偉業や心温まる話をしてくれて、イメージが百八十度変わりました。
お付き合いするようになってからは「この人は本物のNo.1だったんだな」と思う機会が多々ありましたね。
人を引き寄せるような何かがあるんだと思います
――例えばどんなことでしょうか。
加島 さっきまで殺伐としていて静かだった空間に彼が入ると、一瞬で場が明るくなるんですよ。あと、女子がどこからともなく増えていたりしますね。お酒とトークで、まるでイリュージョンを見ているような感覚になります。
それでいて細やかな気配りもさらっとできちゃうので男女問わず好かれる魅力を持っている人だなと思います。甘えたり、他人の本音を引き出すのも上手なので、ほんとにその星(ホスト)に生まれた人なんだなって、しっくりきますね。
――恋人として城咲さんのそういう一面を不安に思うことはなかったのでしょうか。
加島 心配よりは興味と尊敬の方が大きかったです。女友達からはよく「数多の女性のいる場に深夜まで飲みに行くの心配じゃない? 他の女性にも同じように優しく接するのは嫌じゃないの?」と聞かれますが、心配っていうよりは観察して、マネ出来るところは吸収したいなと思っていたので、そういうのを見ていて嫌な気持ちになったことはあまりないですね。
呼吸するくらい自然に人を魅了していくのが上手いので、どうやっているのか観察して分析していました。