料理研究家の地位を向上したい
――ものづくりの源流というか、実際に手を動かしているクリエイターが一番貧乏をさせられている気がします。
リュウジ ガサッとお金を持っていくところって、情報を拡散する代理店とかなんですよ。だからインフルエンサーが1フォロワー1円換算で重宝されて、100万人フォロワーがいる人は1ツイートで100万円が手に入るわけです。
でもその一方で、フォロワーが50人しかいないクリエイターにはまったくお金が入らない。歪んでますよね。
――アニメーターや映画制作スタッフといった、さまざまなクリエイターに当てはまる話です。
リュウジ 僕は作ることも拡散力もあるから稼げてますけど、本来は、コンテンツの根幹を作っている人たちにお金がいくシステムであるべき。とにかく中抜きされるんで、怒りしかないです。
――リュウジさんは今、業界のために戦う立場になっているんですね。
リュウジ 最近の原動力はそうかもしれないですね。料理研究家の地位を向上したいんです。みんなクソみたいな金額でやってますから。
Twitterでバズっても一銭にもならない
労働組合や事務所に所属しているわけでもないので買い叩かれる人も少なくないけど、仕事欲しさに引き受けてしまう。すると、業界の価格自体がどんどん下がっていってしまうわけです。
だから僕は他の料理研究家さんに、「もっと交渉しましょうよ」って言ってます。
――「料理研究家」という少ないパイを奪い合うのではなく、一緒に向上していくような活動をされているんですね。
リュウジ 僕は他の料理研究家さんはみんな仲間だと思っていて、ライバルと思ったことはないですね。逆に大御所の方からブロックされることはありますけども（笑）。料理を広めることが僕の目的なんで、僕以外の料理研究家もいっぱい活躍すれば、それだけ料理も広まりますから。
――今は「バズレシピ」を投稿する他の料理研究家さんもたくさん出てきました。
リュウジ ただ僕自身は最近、Twitterでバズレシピをやりすぎるのはよくないかなって考えになってきましたね。要は、それがバズったところで一銭にもならないからです。
