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声をかけてきた編集者から言われた言葉に怒り

――火事って、やっぱり熱いですか。

リュウジ 熱かったっすね。まだ覚えてますね。ほんと、熱かった。

――人があまりされない経験をしてこられたんですね。

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リュウジ 「長男の16歳 病院に搬送」みたいな感じで、地元の千葉日報にも載りました。こう見えてわりと波乱万丈なんですよ。ピースボートにも乗ってますし。

――そんな中で、「料理研究家」を名乗ってプロとして活動しようと思ったきっかけは。

リュウジ 料理研究家を名乗ってブログは書いていましたが、現実にはなれないだろうと思ってました。でも、「バズレシピ」を繰り返してフォロワーが1万人になった頃、出版社から「本を出しませんか?」と声がかかったんです。

――SNSで火がついて、メディアからも注目され始めたわけですね。

リュウジ ただ声をかけてきた編集者から、「本を出すならフォロワーを10万人にしてください」と言われたんです。唾を付けられたんですね。「“数”という力がないと、こうやってナメられるんだ」と学びました。

 猛烈に頭にきたので、それからツイートする時間や文言を分析して戦略的に「バズ」を生み出しました。編集者の言ったとおりフォロワー10万人を達成しましたが、その人とは本を作ってないです(笑)。

 

技術を売っているのに、料理研究家のギャラが安い

――そして現在Twitterのフォロワー数は210万人超、著書の累計発行部数110万部と、破竹の勢いです。「バズる」と「レシピ」をかけ合わせた「バズレシピ」をビジネスにしたことは大発見ですよね。

リュウジ たしかに新しい働き方かもしれないですね。それまでの料理研究家は、レシピ一品○万円みたいな商売の仕方が基本でしたから。テレビ出演もありますが、文化人は本当にギャラが安いんですよ。これは他の料理研究家さんもみんな、口を揃えて言ってます。

――タレントと出演料に差があるんですね。でもレシピって、開発するのに時間とお金がすごくかかりそうな気が。

リュウジ テレビに出ると宣伝になって本が売れるからと、安いギャラでも我慢して呑んでいます。でも、僕はそれも納得いかないですね。

 料理研究家って技術を売ってるわけですけど、そもそも日本って、技術費がものすごく買い叩かれますよね。