社員からは「日本のがん」と言われている
――そこから何かしらのビジネスに発展させないと、レシピがタダで世の中に出回るだけで、料理研究家の方に還元されないですもんね。
リュウジ 無駄に技術だけ出して見返りがないと、やっぱり業界全体のクオリティが低くなっていきかねない。だから僕は、料理研究家みんなに動画の方に来てほしいな、と思ってます。動画だったら1再生で少しでもお金が入るから、その方が健全かと。
――リュウジさんは料理研究家ですが、「株式会社バズレシピ」の経営者でもあり、凄腕のビジネスマンでもあるんだなと今日改めて感じました。
リュウジ 僕はめちゃくちゃビジネスビジネスしてると思います。価格交渉とか、全部自分でやりますし。
――稼ぐことが好きですか。
リュウジ 稼いでますけど、お金は嫌いというか。金から解放されたいと思っていますね。
――一番なににお金を使ってますか。
リュウジ なんにも使ってないです。酒だけですね。あとはもうひたすら貯金で。だから社員からは「日本のがん」って言われてます。
いつか消えてしまった時のために貯金している
――社員は何名いるんですか。
リュウジ 僕を含めて5人ですね。あ、それで言うと、社員の家賃の半分は、会社から補助を出しています。飲み代も全部、株式会社バズレシピ持ちです。
――素晴らしい福利厚生です。
リュウジ 一応、社員還元はできていると思います。ぶっちゃけ、うちの会社って経費がほとんどないから、利益率がすごいことになるんですよ。だから税金が本当にヤバいです。こんなに国って持ってくのか、と。
――「日本のがん」どころか、めちゃくちゃ国にも貢献しています。
リュウジ ただ人気商売なんで、僕なんていつ消えてもおかしくないですよ、本当に。まだ消えてないんだ、って今も思ってます。
――そうなんですか。意外です。
リュウジ 消えちゃったときのために、貯金してるんです。まあ、世間から消えても自分で発信することはできますしね。そのうち酒でなんかトラブルをやらかすと思いますし。
――その際は、今ここにいる文春オンラインの取材班にご連絡いただけたら幸いです。
リュウジ じゃあ今日のインタビューはその時の布石ってことにしましょうか。やらかした時の原稿が「後編」ってことで(笑)。
写真=杉山秀樹/文藝春秋