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「タイムマシンで殴りに行きたい」バズレシピ・リュウジさんが若いころ“勘違い”していた理由とは

料理研究家・リュウジさんインタビュー #1

2022/06/01
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 昔の俺は「焼き鳥は塩だな」ってしたり顔で言うような、クソ面倒くさいヤツでした。「この店、仕込みが甘いな」とか言ったりね。ほんと、タイムマシンがあったらぶん殴りに行きたいです。

「じゃがアリゴ」は多くの人に初めて料理をさせたレシピ

――リュウジさんって料理に関して本当に熱いですよね。

リュウジ 僕は一日中シチューを煮込んでいても全然苦じゃない人間なんですよ。だけど、多くの人は料理がしんどくて、面倒なものだと思っている。それを解消するには、料理のハードルを下げる必要があって。

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――そういった意味で、簡単においしいご飯が自分で作れる「バズレシピ」は秀逸なレシピばかりです。

リュウジ バズレシピの理想形が「じゃがアリゴ」ですね。さけるチーズとじゃがりこで一品ができる、もはや料理ともいえないものですけど、多くの人に初めて料理をさせたレシピなんじゃないかと思っています。

リュウジさんのTwitterより。約14万リツイート、約44万いいねされている

料理を広めるため、わざと「バズり」を狙っている

――「じゃがりこ一個に塩とさけるチーズ一本裂いて入れ熱湯150cc入れ蓋し数分待ち混ぜるだけ」。子どもでもできる、わずか40文字の削ぎ落とされたレシピです。

リュウジ 作る楽しさを知ってもらったという意味では、これほど貢献したレシピはないんじゃないですかね。

YouTubeの収録もしているスタジオ。背後にあるYouTubeの盾は、銀色がチャンネル登録者数10万人、金色が100万人のときのもの

「じゃがアリゴ」はバズレシピの原点であり、僕の会社の名前も「株式会社バズレシピ」ですけど、やっぱりバズんなきゃ意味がないんですよ。

――「無限キャベツ」や「悪魔のレシピ」など、キャッチコピーも秀逸です。

リュウジ よく「バズり狙いじゃないか」って言われるんですけど、その通りです。僕だって「“無限”に食えるわけねーだろ」って思います。「何が悪魔のレシピだよ」ってツッコミ入れたくなることもあります。

 でも、それもわかった上で、料理を広めるためにわざとやってます。だから邪魔すんな、って気持ちですね。

写真=杉山秀樹/文藝春秋

「タイムマシンで殴りに行きたい」バズレシピ・リュウジさんが若いころ“勘違い”していた理由とは

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