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中4日で先発した年よりリリーフのほうがキツい…元オリックスの“レジェンド”が明かすプロの調整

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/06/07
note

中4日のフル回転よりもきつかったリリーフ

 今は先発は1週間に1回、試合の中では100球前後がメドになるから、リリーフの負担と活躍の場も増えた。

 俺は阪急とオリックスの時にリリーフも経験したけど、中4日でフルシーズン投げた年と抑えで投げた年とどっちがしんどかったか、と言われたらリリーフの時。特に阪急の時は腰を痛めて復帰した年だったけど、抑えが7回から3イニングを任されるような時代。

 もちろん、勝利の方程式なんかもなく先発から即抑えにつなぐから、先発の調子がいまいちとなると7回から登板。今の1イニング限定とはまったく違って、それはきつかった。最後の3回を全力でいくんだから。抑えで3イニング、信じられる?

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 7、8、9回を全力で投げると帰りのバスの中からヒジが疼いてね。先発で150球を投げてもそんなことにならないのがリリーフで数を投げたら疼く。

 そういうのがしばらく続いた時に一度医者に見てもらったら「どこも悪くないけど、回復しない内にまた投げるからどうしようもない」と言われた。

 ピッチャーの、特にひじのコンディションを考えると、回復するための時間がやっぱり大事だってことだよね。

 最近はリリーフも連投の翌日は休養日が設けられたり環境が改善されてきた。それでも、長くやるのは大変なポジション。

 この間、オリックスの平野が200セーブを挙げてたけど、大したもの。しっかりコンディションの管理も出来ているんだろうね。先発に関しては、今も俺は中5日で間に2回ブルペンに入って調整するのが理想だと思ってるけど少数派だね。

平野

 ピッチャーは投げることが仕事なのに、痛めることばっかり心配して上手くなるチャンスを逃してるやつも結構いるんじゃないか。だとしたらもったいない話だよ。

 オリックスの話より、ピッチングコーチの話みたいになったけど、野球を見ていたら、目が向くのはやっぱりピッチャー。思うことを書かせてもらいました。

 そろそろ梅雨入りの時期。スライド登板が上手くいかないと感じるようなピッチャーでもいたら、調整が上手くいかなかったのかな、とか、想像して楽しんでみて下さい。

 さあ、6月にも入ってペナントレースがどうなっていくのか。オリックスは元から先発は安定してるし、リリーフも平野の前に本田、近藤、黒木ら球に力のある投手も揃ってきた。いよいよあとは打つだけ。横浜のイベント前、中嶋と少し話をしていたらフロントの人もいたから「しっかり打つ外国人でも獲ってやって下さいよ」と言っといたけど、吉田も戻って、杉本の調子も上がってきた。このあたりから、そろそろ調子よく勝ち出すんじゃないかな、と思ってたら横浜に行った翌日から5連勝で5割。もう勝ち出したね(笑)。

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