「昨年12月の暮れに救急車とパトカーが何台も来て、しばらく家の前に停まっていました。小さいお子さんが居るのは知っていたので、誰か具合でも悪くなったのかなと思っていたら、その日から数日間警察が出入りしていた。

 その後は家の灯りもつかなくなり、不在の状態になりました。当時は何が起きたのかわかりませんでしたが、今回の報道を見て、あの家の娘さんが亡くなったと知ってとても驚きました」(事件現場近隣の住人)

捜査を担当した草加警察署 ©文藝春秋

 

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 埼玉県春日部市の閑静な住宅街で痛ましい事件が起きたのは年の瀬が迫った昨年12月末のことだった。

両足を骨折し、動けない娘を自宅に放置

 埼玉県警は5月31日、両足を骨折させたまま3歳の次女・沙季ちゃんを自宅に放置したとして、母親で無職の長野奈々容疑者(31)を保護責任者遺棄の疑いで再逮捕した。

 長野容疑者の次女は昨年末に脳損傷で死亡している。頭や顔に複数の傷があったことから、埼玉県警は日常的に虐待を受けていた可能性も視野に入れて捜査しているという。社会部記者が語る。

送検される長野容疑者 FNNプライムオンラインより

「当時、カラオケ店員だった長野容疑者は昨年12月中旬から29日にかけて、交際相手で同居していた男性(37)と共謀し、沙季ちゃんが両大腿骨の骨折で歩行できないと知りながら、病院で医師の治療を受けさせるなどの適切な措置を行わなかった疑いがもたれています。

 事件は、12月29日に、同居していた男性が沙季ちゃんを見て『呼吸の様子がおかしい』と119番通報したことで発覚しました。沙季ちゃんはそのまま意識不明の状態で病院に搬送され、その日のうちに死亡しました」

 埼玉県警は沙季ちゃんに暴行を加えたとして、昨年12月30日に長野容疑者と同居していた交際相手の男性も暴行の疑いで逮捕していた。