年末が近づき、いよいよ今年の「ふるさと納税」の締切も近づいてきました。「オトクと聞いているが、ふるさと納税の制度がよくわからない」という人のために、まずは制度と仕組みをおさらいしていきましょう。

おいしい返礼品がたくさん ©iStock.com

 ふるさと納税とは、寄付金控除の仕組みを使い、自治体に寄付を行った場合に、寄付額のうち年間合計寄付額の2000円を超えた部分が、所得税と住民税から原則全額控除される制度(収入に応じた上限あり)です。

注:ワンストップ特例の場合は、住民税からまとめて控除される。

 各自治体が寄付のお礼として用意した返礼品が魅力的で、新鮮な魚介類やA5ランクのブランド牛などがデパートのお取り寄せのように選べることから、一定の収入がある人が上手に使いこなせば、誰でもオトクになる制度です。

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 総務省によると2016年のふるさと納税寄付総額は、2844億円。過去最高額となったことからも分かる通り、一般的により広く、制度が浸透したのが2016年でした。

 しかし、今年2017年4月に制度を大きく変える総務省通知が自治体に出されました。

 ふるさと納税の返礼品の価格について、寄付額の3割までとし、商品券や家電製品などの換金性の高い返礼品を自粛するよう通知がなされたのです。その背景には、過熱気味の返礼品競争や、地方交付税の交付を受けていない東京23区の特別区が、ふるさと納税の制度により住民税の減収幅が広がり、その結果、制度に対して大きな懸念を示したことがあげられます。

 そのため2017年にかんしては、「返礼品規制の影響が大きくあったので、前年の6~7割の寄付額に落ち着くのではないか」という噂が自治体関係者から漏れ伝わってきます。ネガティブなイメージの報道もありますが、一納税者からみれば、まだまだ使えるオトクな制度なのです。

ふるさと納税をやってみるには? まずは寄付額の目安を知ろう

 では、実際にふるさと納税はどのようにすればよいのでしょうか? まずは自分の年収に対しての寄付金の上限額を知ることが必要です。

 寄付金額の目安は、総務省のホームページふるさと納税ポータルサイトのシミュレータをチェックすることでおおよそを知ることができます。例えば年収600万円の独身者の場合、7万7000円が寄付の目安となります。医療費や住宅ローンの控除、扶養の有無等で変わってきます。正確な金額を知りたい場合は、税理士等にご相談ください。

 もちろん目安を超えての寄付も可能ですが、オトクではなくなってしまいますので、注意が必要です。