今季から北海道日本ハムファイターズの監督をつとめる新庄剛志氏(50)が2006年にドーピング(薬物使用)検査の結果、陽性反応が出ていたことが、ジャーナリスト鷲田康氏と『文藝春秋』の取材で明らかとなった。06年当時、日本ハム球団代表だった小嶋武士氏が事実関係を認めた。

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 06年4月18日オリックス戦でシーズン第2号本塁打を放った新庄監督は、「28年間思う存分野球を楽しんだぜ。今年でユニフォームを脱ぎます打法」と、突然、現役引退を表明する。実は、この劇的な引退宣言の裏で、薬物問題が起きていた。

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新庄剛志

「覚醒剤成分の検出」との衝撃的な報告

 日本のプロ野球界では、2006年からドーピング検査がスタート。ただし、初年度は日本野球機構(NPB)と選手会の間で、違反行為が見つかった場合も氏名非公表、罰則なしとの合意がなされていた。

「開幕直後にNPB初のドーピング検査が行われ、その対象となったのが日本ハムの試合だった。両チームの関係者がくじ引きで検査対象選手を決めますが、日本ハムの対象選手となったのが新庄監督でした。NPBの職員と医事委員会の医師が確認する中で、尿検査が実施されました」(球界関係者)

 検査機関の三菱化学ビーシーエル(現・LSIメディエンス)からNPBに衝撃的な報告が届いたのは、検査から半月ほど過ぎた時期だった。その結果は「覚醒剤成分の検出」だった。

「慌てたのはNPBでした。覚醒剤となると、刑事事件に発展する可能性もあるため、当時の根來泰周コミッショナーが警察に届けるように指示。長谷川一雄事務局長が警視庁へ相談に行くと、薬物を担当する組織犯罪対策部5課が対応することになった」(同前)

 一連の経緯について当時の球団代表であった小嶋武士氏に尋ねると、「もちろん詳しく知っていますよ。(日本ハムで)私がすべて担当しましたから」と答え、90分にわたって当時の状況を説明した。