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「尿から検出された物質から判断すると覚醒剤と成分が近いアンフェタミン系の興奮剤『グリーニー』と呼ばれる薬物の可能性が高いと思います」(別の球団関係者)

 グリーニーはクロベンゾレックスという化学物質を主に含む、緑色のカプセル錠剤だ。日本の厚労省は主成分であるクロベンゾレックスを法規制していないが、07年3月に「医師の適切な指導のもとに使用しなければ、健康被害の恐れのある未承認医薬品」に指定されている。

 NPBアンチ・ドーピングガイドでは、(1)選手の健康を害する(2)アンフェアである(3)社会に悪影響を与える(4)スポーツそのものをだめにする、を理由にドーピングを禁じている。 

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「16年前の薬物使用を理由に、指導者の資格が新庄監督にないと考えていない」としたうえで、鷲田氏は、三つの重大な問題があると指摘する。スポーツパーソンとしての倫理違反、監督としての説明責任、そして薬物使用を知りながら監督就任を決めた日本ハム球団の責任だ。

引退の年に日本一

 今回、日本ハムに「06年に新庄監督がドーピング検査を受け、薬物が検出されたか」などの事実確認および、新庄監督が現在、薬物使用についてどのような認識を持っているのかを尋ねたところ、日本ハム広報部は薬物使用の有無に触れず、次のように回答した。

「NPBにおいて、過去からドーピング検査が実施されてきておりますが、現在に至るまで当球団から処分の対象となった選手はおりません」

 6月10日発売の「文藝春秋」7月号ならびに「文藝春秋 電子版」では、小嶋氏へのインタビューに加え、捜査を担当した警察官、新庄監督の検査を担当したNPBスタッフや医師の証言などを掲載している。

文藝春秋

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新庄剛志「薬物使用」の過去