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村田沙耶香の“多様性”という言葉に対する想い「“個性”という言葉が怖かったときのことは忘れたくない」

村田沙耶香さんインタビュー#2

2022/06/08

source : 文藝出版局

genre : エンタメ, 読書, ライフスタイル, 社会

 村田沙耶香の最新短篇&エッセイ集『信仰』が刊行された。表題作「信仰」が2021年シャーリー・ジャクスン賞にノミネートされるなど、海外でもますます注目を集めている村田さん。私たちが疑いなく信じている「現実」を揺るがす8つの作品についてインタビューした。(全2回の2回目。前編から読む)

村田沙耶香さん

「統一されることの危機感」から出発して

「お前は『均一』から来たのか」

「だよ。そう。」

「あんなに薄気味悪い街に住んで、可哀そうに」

「アーーーーアーーーーー」

僕は驚いて「均一語」で叫んでしまった。均一が気持ち悪い? なぜ? ここのほうがずっと不気味なのに。

――「カルチャーショック」は「マンチェスター インターナショナル フェスティバル」のイベントのために書き下ろしたとありますが、どんなイベントだったのでしょうか?

村田 文学だけでなくアートや演劇、音楽などの国際芸術祭です。私は7カ国の作家による朗読と、パフォーマーによる英語翻訳を同時に聴くことができる「Studio Créole」という企画に参加しました。私の日本語の朗読と同時に、舞台の真ん中で女性のパフォーマーが一人芝居のように英語で朗読をしてくださって、面白かったです。