今年3月、埼玉県本庄市で住宅の床下から柿本歩夢くん(当時5)の遺体が見つかった事件。埼玉県警は6月6日、同家の床下から新たに白骨化した高齢女性の遺体が見つかったことを発表した。遺体は同居していた高齢の女性と特定され、事件性を捜査する。
「週刊文春」は、5月25日配信の「週刊文春 電子版」と文春オンラインの「週刊文春 スクープ速報」で、この事実をスクープしていた。遺体の女性は、いったい何者なのか。歩夢君を虐待した犯人たちとの関係など、当時の記事を再公開する。(初出:週刊文春 2022年6月2日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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埼玉県本庄市で今年3月、住宅の床下から柿本歩夢くん(当時5歳)の遺体が見つかった事件で、床下の土中から新たに人骨が発見されていたことが「週刊文春」の取材でわかった。
「殺される!」近所の商店にパジャマ姿で駆け込む
この事件では今年1月、歩夢くんを虐待して死亡させ、遺体を住宅の床下に埋めたとして、母親の派遣社員・柿本知香(30)と、同居する無職・丹羽洋樹(34)、無職・石井陽子(54)の3被告が傷害致死と死体遺棄の罪で起訴されている。3人はさらに、歩夢くんを猫用ケージに約2時間半閉じ込めたなどとする監禁と暴行の疑いで5月11日、埼玉県警に再逮捕された。
現場となった住居には以前、内縁関係にある丹羽と石井のほかに、石井の義母にあたる大澤優子さん(仮名)が同居していた。この優子さんはある日の朝、パジャマ姿に裸足で「殺される!」と叫び、近所の商店に駆け込んでいる。対応した商店の女性が語る。
「お婆ちゃんは、丹羽や石井らに『押し入れに閉じ込められる』と怯えていました。外を見ると、あの家の塀越しに2人がキョロキョロとお婆ちゃんを探している姿が見えた。引き渡さずに警察を呼びましたが、2人は『認知症だから』と説明したようでした」
以降、住居の窓には目張りがされ、勝手口のドアも封鎖された。5、6年前からは、周辺住民の誰も優子さんの姿を見かけていない。