いまから32年前のきょう、1990年6月8日、タレントの薬丸裕英と歌手の石川秀美が結婚した。二人とも1966年生まれ(結婚発表時はそれぞれ24歳と23歳)で、1982年に芸能界デビューした同期である。
二人は婚姻届を提出する前、6月4日に会見を行った。結婚については周囲のスタッフも直前まで本人たちから知らされておらず、まさに電撃的だった。しかも薬丸は《いろんなオメデタがありまして、もうすぐ6カ月です》と石川の妊娠も発表し、会見場はドッと沸いた(※1)。石川は《3月に(引用者注:妊娠を薬丸に)報告したとき、どう答えてくれるか不安でした。でも、すごく温かくいってくれたので、とてもうれしかったですね》と話した(※2)。
薬丸はその2年前にシブがき隊を解散していたとはいえ、現役アイドル同士の結婚はまだ珍しかったうえ、妊娠と同時の発表は世間に驚きをもって受け止められた。のちに薬丸が明かしたところによれば、当時、アイドル同士の結婚は絶対にタブーであったため、互いの所属事務所や両親にも隠し通し、彼女のお腹が大きくなってこれ以上隠しきれないという時点で、同じ日の同じ時間に双方が担当マネージャーに打ち明けたという(※3)。
芸能界をやめるための“計画婚”
また、『週刊文春』の阿川佐和子との対談では、石川はすでに芸能界をやめたがっていたが、やめられる状況ではなかったので、意図的に仕掛けた“計画婚”であったと語っている(※4)。
薬丸は中学2年のとき、ジャニーズ事務所の面接を受ける友達についていったところ、当時のジャニー喜多川社長からレッスンを勧められ、これがきっかけで同事務所に入った。1981年4月から1年間、ドラマ『2年B組仙八先生』に出演。ドラマのヒットを受け、同じ事務所から出演していた本木雅弘、布川敏和とともにシブがき隊を結成し、1982年5月に「NAI・NAI 16」でレコードデビューする。
一方、石川は中学3年のとき、芸映プロダクションの主催する「ヒデキの弟・妹募集・全国縦断オーディション」に優勝して芸能界に入り、翌1982年4月に「妖精時代」でレコードデビューした。結婚発表は、前年の舞台初出演に続き昼ドラに主演し、俳優としても注目された矢先のことであった。