コロナ禍は多くの人々に自らのライフスタイルを見直すきっかけを与えた。毎朝毎夕、通勤する、つまり会社に出向いてオフィスの机に座ることが働くことと信じていた価値観に大きな影響を及ぼしたのだ。
今、コロナ禍がある程度の終息を見せるに至って、多くの企業では今まで通り朝の出社を命じ、オフィス街に人が戻りつつある。だがいっぽうで、仕事の一部にリモートワークのほうが効率もよく、通勤をしていた時間を、資格の取得や副業、趣味の充実など、より有効に使おうという考え方が、企業や社員にも着実に浸透してきた。
いわばアフターコロナは「働く」と「住む、暮らす」のハイブリッドな時間配分が求められる時代になっているともいえるだろう。
今までほどオフィスに拘束されることはないけれど、昭和平成脳の価値観しか持ち合わせない経営者や上司がいる会社で、さてこれからのビジネスパーソンはどこに住むのがよいのだろうか。23区内に住んで環境が良くて、都心にも近い。自由な時間内では街で遊んだり、歩くとわくわくしたり、ご飯やスイーツもおいしくて、歴史や文化の香りがするとよい、子供たちの学校も心配、などなどいつの時代になっても住む家の選択肢は人それぞれ、欲望のてんこ盛りだ。
一部の線路地を除いて、ほぼすべてが山手線内
こうした願いを一番にかなえてくれる最強の区が文京区だ。まずは都心へのアクセスだ。リモートワークが増えたといっても都心に気楽に出向けるのは便利で快適だ。JR山手線は通勤電車の基幹ラインだが、文京区はほぼすっぽり山手線内に位置する。山手線内であれば都心へのアクセスが良い、と想像できるが、東京23区で完全に山手線内に入る区は存在しない。千代田区は東京駅八重洲口近辺で線路を跨ぐ。港区は芝浦、お台場で完全に線外だ。中央区に至ってはほぼ全域が線外だ。文京区は山手線の「駒込」駅と「巣鴨」駅間のほんの一部の線路地を除いてすべてが山手線内にある。
区内を通る鉄道にはJRはなく、多くの路線が南北に走り、千代田区との境目である神田川めがけて下りてくる。この受け皿となるのが東京ドームのある飯田橋や水道橋、そして御茶ノ水のJR線各駅になる。区の西側より東京メトロ有楽町線、丸ノ内線、都営三田線、東京メトロ南北線、千代田線と都内各所へのアクセスは抜群だ。区の東西を結ぶのが都営大江戸線で、東京ドームの北側を東西に突っ切り御徒町にたどり着く。