「釧路に行く」
家族にそう言い残して、彼女が車で向かった先は北海道北見市にある自宅から2時間半ほどにある帯広市の野球場だった。そこでは、この3月まで同じ高校で勤務した12歳年下の元同僚の男性教師が副部長を務める“野球部の試合”が行われていた――。
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『スコップで土を掘り埋めた』『首を絞めた』などと供述
北海道帯広市の運動施設などが集まる都市公園「帯広の森」の一角にある雑木林を100メートルほど奥まで歩くと、小さな切り株の横に土を掘り返した跡がある。そこには、今いくつかの花束が手向けられている――。
元同僚の高校教師・宮田麻子さん(47)の遺体をこの雑木林に埋めたとして、北海道警は6月2日に帯広農業高校教師の片桐朱璃容疑者(35)を死体遺棄容疑で逮捕した。
2人は今年春までの過去6年間、同じ高校に勤務する「同僚」だった。地元紙事件担当記者が明かす。
「宮田さんは5月29日、北見市内の自宅を出ました。同日夜まで夫とLINEでやりとりをしていましたが、その後連絡が途絶え、翌30日になっても帰ってこなかった。
心配した夫が31日に行方不明者届を道警に提出し、捜索が開始されました。その後、夫の話などから片桐容疑者が浮上し、6月1日に警察が任意で事情を聴いたところ、片桐容疑者は宮田さんと会っていたことを認めた上で、『スコップで土を掘り埋めた』などと話したのです。
翌2日、片桐容疑者の立ち会いの下、雑木林から供述通りに宮田さんの遺体が見つかり、緊急逮捕となりました。片桐容疑者は『首を絞めた』『遺体は車で運んだ』などとも供述しており、道警は2人の間に何らかのトラブルがあったと見て、殺人容疑も視野に慎重に捜査を進めています」