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「思う」と「考える」の意味はどう違う…? 日本語学・言語学の研究者が答える“日本語の大疑問”

『日本語の大疑問』(国立国語研究所 編)――ベストセラー解剖

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『日本語の大疑問 眠れなくなるほど面白い ことばの世界』(国立国語研究所 編)幻冬舎新書

〈若者ことばの「やばみ」や「うれしみ」の「み」はどこから来ているものですか〉といった最近の日本語事情に関するものから、〈すでにお店に入っているのに「いらっしゃいませ」と言うのはなぜですか〉〈「思う」と「考える」の意味はどういうふうに違うのですか〉〈漢字はいつから日本にあるのですか〉といった普遍的なものまで、国立国語研究所に寄せられた幅広い内容の質問。その疑問に研究所に関わる日本語学・言語学の研究者たちが丁寧に答える新書が売れている。

「一つひとつの質問は素朴なものが多いんです。でも答える方は、ああでもない、こうでもないと回り道をして、様々な角度から答えを出そうとします。その結果、すっきりとした解が出ていることもあれば、そうではないときもある。その過程を読むことで、ふだん何気なく使っている日本語について、こんなにも深く考え、研究している人たちがいるのがわかる。簡単な入り口から、言葉をとりまく複雑な世界が広がっていく点が、この本のおもしろさだと思います」(担当編集者の前田香織さん)

 読者層は老若男女幅広い。

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「書評や感想を読んでいると、取り上げてくださっている項目がそれぞれ、まったく違うんです。どんな年齢や立場であっても、必ず何かしら、言葉についての発見がある本だと感じています」(前田さん)

2021年11月発売。初版8000部。現在9刷7万4000部(電子含む)

「思う」と「考える」の意味はどう違う…? 日本語学・言語学の研究者が答える“日本語の大疑問”

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