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小柳 山城さんに、「どんな思い出がありますか?」って聞くと、「なんでそんなくだらないこと聞くんだ!」とか、いちどなんかは「僕はね、その声の出し方が嫌いなんだよね!」って言われましたね(笑)。

 でも、そうやっていちど先制パンチのように怒った後は、きちんと話してくださるんです。だから一度はしょうがないの。

平野 きっとね、ああやってリポーターに向かってキツイ言葉を吐くのがコミュニケーションで、楽しかったんだと思う。囲みに応じるのが本当にいやだったら、最初から断るわけだから。

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 ワイドショーのスタッフはどんな現場に行くのか当日までわからないから、ジーパンにTシャツとかせいぜいポロシャツなんて恰好のひとが多かった時代なんです。突然結婚式の取材に、なんてなったときにも山城さんには「お前らそんな恰好してこのおめでたい席にくるのか!」とガーンと一発。

 言われてみたら確かにそうですもんね。怒ってくれる時代の芸能人でもあったんですよね。

上戸彩・HIROの結婚前「ボツになったNG質問」

――聞いてはならないと言われたのを突破して、事務所に怒られたりも?

小柳 しょっちゅうよね(笑)。私たちだってディレクターに言われて、なんとかがんばって聞いてるのに!

 上戸彩さんがHIROさんと結婚するちょっと前、上戸さんの映画の取材があって、事務所からは「映画以外の質問はNG」って言われてたんですよ。どうしようかと思いつつ、「ダンスが特別に上手い男性は好みですか?」みたいな質問を絞りだしたんです。そうしたら彼女は、「それもいいですね」って。

 

平野 明らかにHIROさんを想定してるわね(笑)。

小柳 そうそう、だからみんなクスクス笑うんだけど、あとで上戸さんの事務所にルール違反だって怒られて、放送がボツになっちゃった。

“ダメ元”でも聞きたいことを聞くのは大事

平野 あらでも、結局使ったんじゃなかった?

小柳 1週間後に婚約発表があって、そのときに。

平野 あのときは実はこんな風に答えてました――、って放送できたのよね。

小柳 生放送で、小倉(智昭)さんが「HIROさんに『小柳さんてどういう人なの?』って訊かれたから、『アブナイ人だよ』って教えておいたよ」って言われたから、「営業妨害です!」って言ったの(笑)。

©文藝春秋 撮影/深野未季

平野 真面目な話をすれば、「聞いてもらっちゃ困る」という先方の意思をまるまる汲んで、何も訊かないんじゃ、私たちの取材はなんのためですかってなるんですよね。だから“ダメ元”でも聞きたいことを聞くのはやっぱり大事だと思いますね。

小柳 芸能人とリポーターって持ちつ持たれつの部分もたしかにあります。利用される部分だってあるしね。なぜか古めのスキャンダルが出て「今頃?」って思いながら取材に行くと、すぐそのあと書籍が出るとか、プロデュースした化粧品が発表されるとか、ね(笑)。