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努力の量と結果が結びつかず、苦しかった高校時代

――高校に入ってからもSASUKE漬けの毎日ですか?

森本 そうですね。中高一貫校だったので、環境の変化はあまりなく、よりSASUKEにのめり込んでいたと思います。初出場のときはとにかく「楽しい」「夢が叶った」の気持ちでいっぱいだったんですけど、一度出てしまうと今度は成果が欲しくなってしまって。1st STAGEクリアを本気で目指して、がむしゃらな量の練習をしていました。

 でも、高校のときはつらかったですね。これ以上ないくらい一生懸命に練習していたのに、成果がついてこなかった。1st STAGEクリアどころか、前回クリアできたエリアに失敗することすらあって。練習では百発百中でできることが、なぜ本番ではできないのか分からずもがいていましたね。まだ考え方も未熟だったので、でたらめに量をこなすことしかできず、そのうち出場資格も獲得できなくなりました。

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©鈴木七絵/文藝春秋

――確かに、第23回から第26回までは出場資格を得られていませんね。まさに暗黒期ですが、この期間はモチベーションをどうやって維持していたんですか?

森本 やっぱりSASUKEが好きな気持ちはずっと変わらなかったので、練習は続けてましたし、その頃はSASUKEオールスターズの方が開催するイベントが全国であったんですよ。そこに行けばオールスターズと会えるし、目の前でSASUKEセットに挑戦してアドバイスももらえるので、それをモチベーションになんとか頑張ってました。

自宅のベランダに特注で作った「クリフハンガー」練習セット。 森本さん提供

――第27回大会では、2年半ぶりに出場し、自身初となる1st STAGEクリアを達成しましたね。何か変化があったのですか?

森本 大学でクライミング部に入ったことですかね。クライミングって、実は頭を使わないとできない競技なので、その影響でSASUKEでも頭を使うようになって。そこから、成績が右肩上がりになっていったんです。