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SASUKEへの憧れが本気になった瞬間

――初めてSASUKEを観た時のことは覚えてますか?

森本 覚えてます。父親から「お前の好きそうなのがテレビでやってる」と言われて観たのが、第3回大会でした。アスレチックが大好きだった自分にとって、大人が真剣に競技としてアスレチックに挑む姿は、なかなかに衝撃的でしたね。

 でも、そのときから本気で出場を目指してたわけではなくて、初めは憧れみたいなものでした。そのとき活躍していた「SASUKEオールスターズ」という人たちを見て、「こういう人たちになりたいなー」って真似をしていたような感じなんですよね。

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©鈴木七絵/文藝春秋

――ああ、小学生がスポーツ選手に憧れて「将来の夢」とするような。でも、そこから本気でSASUKEを目指すようになったのは、何がきっかけだったんですか?

森本 中3のときに、長野誠さんが完全制覇した第17回大会を観たんです。第4回大会の秋山和彦さん以来、7年ぶりの完全制覇者。僕は秋山さんのときは観れなかったので、長野さんのときが初めてリアルタイムで完全制覇を見た瞬間でした。あの頂上にいる長野さんを見てすごく感動して、テレビで観るだけじゃ満足できない、自分もそこに行きたいって本気で思うようになったんです。

――それで第18回大会で本当に出場を叶えてしまうのもすごいですね。

森本 今までは、公園のアスレチックや運動ができる施設でSASUKEっぽいことをやってただけだったのが、練習のために自宅で自作のSASUKEセットを作りましたからね(笑)。部活も入ってなかったので、授業が終わったらすぐに帰って練習するという日々でした。

実際の自作セット。これは森本さんが大学生の時に作ったもの。 森本さん提供

 初出場のときは1st STAGEで敗退しましたが、「ほんとにSASUKEに出たんだな」と感動したのを覚えてます。大人の人でも最初のエリアでめちゃめちゃ落ちてたのに、僕は4つ目のエリアまで辿り着けたので。意外と手応えはあったんですよね。