ニューヨークで出会った人々との日々を描いた、『ニューヨークのとけない魔法』をはじめとする「ニューヨークの魔法」シリーズ(文春文庫)で知られる作家・エッセイストの岡田光世さん。
彼女は青山学院高等部在学中に1年間、米ウィスコンシン州の小さな町に留学していた。さらに青山学院大学在学中に1年間、協定校・米オハイオ州の私立大学に留学し、その後、ニューヨークの私立 New York University 大学院で修士号取得。今や“英語の達人”とも呼ばれている。
ここでは、岡田さんがどのように英語を学び、留学中の挫折を乗り越えたのかを綴った『ニューヨークが教えてくれた “私だけ”の英語 “あなたの英語”だから、価値がある』から一部を抜粋。長年のアメリカ生活を経験した彼女が感じる、日本文化や日本語の素晴らしさについて紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く)
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日本人であるだけで、感動される
「Japan」はまるで、魔法の言葉だ。
アメリカだけでなく他国を旅していて、「どこから来たのですか」と聞かれて「Japan」と答えると、相手は目を輝かせ、決まりきったように、まずこう反応する。
Wow! Itʼs my dream to go to Japan.
うわあ。日本に行くのが、私の夢なんです。
大げさではない。ヨーロッパでもアジアでもアメリカでも、私自身が何度も経験している。
Why? なぜ?
そう聞くと、日本に行ったことがない人でも、こう答える。
Japan is a wonderful country. Itʼs safe and clean. Japanese people are very nice and polite.
日本はすばらしい国だよ。安全で清潔で、日本人は礼儀正しくとてもいい人たちだ。
たいていの人は、メディアやネットの日本特集や映画、漫画から、日本のことを知る。東日本大震災の時、日本人が耐え忍んだ様子も、広く世界に報道された。
先日、ニューヨークで出会った、30代後半のガーナ人男性は言う。
Oh, Iʼve been fascinated with Japan.
ぼくはもうずっと、日本に魅了されているんだよ。
「9歳の時にテレビで『おしん』を見てから、こんなにすばらしい人たちがいる国に、いつか行ってみたいと思い続けているんだ」
超ハイテクの国で、いたるところでロボットが活躍し、ロボットと一緒に日々、暮らしていると思っている人も多い。
アメリカやヨーロッパのスーパーには、寿司ばかりか、枝豆、ひじきなども並んでいる。和菓子や餅も大人気だ。ラーメンやうどん、カツ丼も、箸を使ってふうふう言いながら、食べている。