2019年、ソロキャンプを楽しむために「山」まで買ったヒロシさん。ところが、そこには思わぬ苦労がついてまわったそう。ヒロシさんが取材班の前でこぼした“ぼやき”とは?
自身のキャンプ哲学を惜しみなく詰め込んだ新刊『大人のソロキャンプ入門』より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/#1、#3を読む)
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ヒロシが憧れる「孤高のキャンパー」
ヒロシ 僕は主に、海外のブッシュクラフターの動画を参考にしているんですけど、日本でも寺崎勉さんという方がいるんですよ。昔から日本中で野営をやっている人です。この人の昔の動画を見たことがあるんです。僕のソロキャンプは盆栽感覚だけど、この人のやっていることは、シンプルで大雑把なのに、すごく魅力があるんです。
――動画を見てみました。髭をもっさりと蓄えていて、万年野宿で生活していそうな風貌の男性が、山の空き地で勝手にキャンプをやっている雰囲気が出ています。実際には、許可を取っているかもしれませんけど。
ヒロシ 地図にない林道の行き止まりとかで、いきなり野宿を始めるんですよね。撮影場所は日本だと思いますが、外国を放浪しているような空気感を漂わせていて……。僕も、これ、すごくやりたいんですけど、僕が勝手に日本で野宿をしたら、怒られそうじゃないですか? だから、寺崎さんの動画を見ると、憧れるんです。昔の動画だから画質も荒いけど、見ているとワクワクしますよね。
寺崎さんは、食事も全然こだわってなさそうなんです。焚き火で米を炊いて、納豆をかけて食べるとかだから。それに、僕が持っているジムニーを何年も前に持っていたようなんだけど、軽量化といって、無駄なものを全部剝がしているんですよ。ジャッキまで所定の場所から外しちゃっていますからね。「強度を確保しつつ軽量化している」とかいっているけど、ミニ四駆じゃないんですよ? 自分が乗るジムニーでやっているんです。生き方に浪漫があってかっこいいんですよね。
――寺崎さんは、グループソロキャンプみたいなこともやられているようです。夜、洒落っ気のない男たちだけで焚き火をしている映像には、しびれました。