「6月8日、夜22時過ぎに救急車が来て、3名くらいの隊員の方が急いで家の方へ走って行き、数分後に警察も駆けつけていました。事件のあった家の窓はいつもカーテンで締め切られていて、報道で男性の他に奥さんとお子さんが住んでいたことを知って本当に驚きました。旦那さんが家族を連れて出かけている姿も見たことがないですし、赤ちゃんの泣き声も子供の声も聞いたことがありません」
平均気温が低く、「霧の街」として知られる北海道・釧路。幼い子ども2人が半日以上も自宅に放置され、生後4カ月の次男が亡くなるという痛ましい事件が起きた。
北海道警は6月10日に、2歳の長男と生後4カ月の次男を自宅に放置したまま外出したとして、保護責任者遺棄の疑いで10代の母親と父親の阿部光浩容疑者(35)を逮捕。6月12日、両容疑者は検察庁に送検された。
冒頭の証言は阿部容疑者らが住んでいた自宅の近隣住民によるものだ。“歳の差夫婦”に一体なにが起きていたのか――。
「次男が呼吸をしていない」
事件が発覚したのは、帰宅後に次男の異変に気付いた阿部容疑者の119番通報だった。地元紙記者が語る。
子どもを放置して外出「夫婦でデートか」
「釧路市内の不動産会社に勤務する阿部容疑者と妻は6月8日の午前8時半頃から午後10時頃まで外出。警察の捜査によると、防犯カメラの映像から夫婦は外出中の約13時間の間にパチンコやファミレス、コンビニなどを訪れていたことがわかっています。
帰宅後、次男が意識不明の状態になっているのを発見し、次男は救急搬送された病院で死亡が確認された。長男は健康状態に問題はなく無事でした」
幼い子ども2人を自宅に置き去りにして、夫婦は“デート”をしていたというわけだ。前出の記者が続ける。
「阿部容疑者の妻は現在18歳です。16歳で長男を出産し、今年2月に次男を出産したばかりでした。兄弟は妻の連れ子で阿部容疑者と血縁関係はありません。
妻は以前住んでいた札幌市で育児が困難な恐れがあるとして、長男の出産時から“特定妊婦”の認定を受けていた。妻は元夫からDV被害を受けて離婚後、次男の妊娠中に阿部容疑者と出会い、再婚して3月から釧路で同居していました。札幌市から特定妊婦の情報を引き継いた釧路市が3月中旬と4月下旬に家庭訪問を行い、家庭環境や世帯・育児状況等についての確認や助言などを行なっています」