6月18日はSixTONES松村北斗の誕生日であった。この1年、松村は俳優として大きく飛躍したといえるだろう。“朝ドラ”こと連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK)の稔役でザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞を受賞し、現在は連ドラ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系 月曜よる10時 以下『恋マジ』)で主人公(広瀬アリス)の相手役を演じている。
恋より仕事だった主人公を恋に溺れさせる役割を松村は担った。この『恋マジ』は6月20日に最終回。彼女との恋の結末はどうなるか気になるところ。そこでこの1年の松村北斗の俳優活動を振り返り、俳優としての魅力と今後の可能性を考えてみたい。
『カムカム』視聴者が松村北斗に注目した理由
『カムカム』で松村が演じた稔はヒロイン安子(上白石萌音)の夫。戦前生まれの生真面目な御曹司で、安子との恋愛から結婚までの流れがこの上なくピュアで朝ドラ視聴者の注目の的となった。
戦争がはじまって出征した稔は帰らぬ人となるが、安子に語った「どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも自由に聴ける。僕らの子供にゃあ、そんな世界を生きてほしい。ひなたの道を歩いてほしい」というセリフが強烈な印象を残し、後々、稔の孫であり3代目ヒロインのひなた(川栄李奈)編まで通底するキーワードとなった。
安子からはじまったヒロイン3代に渡る100年の物語の後半戦、終戦の日、お盆に故郷岡山に帰った稔の娘で2代目ヒロインのるい(深津絵里)の目の前に稔の幻が現れるシーンは大きな感動を呼んだ。稔こそ『カムカム』の“心”であり、ひなたの道の象徴だと感じた視聴者も少なくないだろう。
松村北斗がジャニーズアイドルSixTONESのメンバーのひとりであることを知らなかった視聴者や、情報として知ってはいてもそれ以上の感情はもっていなかった視聴者が松村北斗に熱い眼差しを注ぐようになった理由は、圧倒的な清潔感。古き良き日本男児というイメージである。