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スズメバチの駆除でスタッフが亡くなったことも


――スズメバチの巣の駆除依頼も多いとか。

早川 スズメバチは、巣を駆除する際、刺されたうちのスタッフが一人亡くなったことがあります。アナフィラキシーショックですね。

 防護服は刺されにくくするためのもので、絶対刺されないものではない。我々は刺された時のために、必ずエピペンというアドレナリン自己注射薬を持参しているんですけども、間に合わないケースもあるということです。

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プロであっても油断できないスズメバチ ©istock

――身の危険と隣り合わせ。今でも緊張する現場はありますか。

早川 いちばん緊張するのは、アライグマが出産し終わった後の現場ですね。親が、子を守る本能でものすごく攻撃してくるんです。全長1メートルぐらいあるかなあ、こちらが天井裏の狭いところで身動きがとれない時に、目の前数十センチのところまで向かってくるんですよ。怖いじゃないですか。だから、天井を覗いて、もしも目が合おうものなら「1回引っこもうか」って、隠れることもあります。様子を見ながら、慎重に行動します。

――怪我をすることも?

早川 ありますよ。昔、足を骨折しましたね。でも、いちばん僕らが怖いと思っているのは、何のウイルスを媒介するかわからないということです。彼らにはノミとかダニがいっぱい寄生しているわけですよね、で、僕らが例えば噛まれたりして、二次感染を起こすリスクもあるわけです。感染症が本当にいちばん怖いですね。