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――棲みつくのは、ハクビシンが多いんですか。

ハクビシンの棲み家となった家屋(画像提供:想和ホールディングス)

早川 昔は、家に動物が棲みつくといえばハクビシンだったんですけど、だんだん生態系も変わってきて、現状はアライグマのほうが多くなってきています。アライグマがハクビシンを追い出しちゃうんですね。都心部はまだハクビシンのほうが多いですが。

 結局、エサが沢山あるところにそういった動物が出るんですよね。都内なんか、歩いていれば道端でドブネズミを見るでしょう? 本来そんなところにドブネズミがいるはずないのに、食べ物があるから生息するわけです。

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孤独死の現場は「すごい臭い」

――今は一人暮らしの高齢者も多いです。現代に特徴的な現場はありますか。

早川 ゴミ屋敷になっている家で、ゴキブリが大量発生していることはありますね。部屋から部屋へ、ゴキブリが飛散して……。ゴキブリ? なんとも思いません。ただの虫ですよ、虫。

 孤独死で亡くなった方の部屋に行くこともあります。警察が調べた後の、特殊清掃みたいな仕事です。その場合、ハエと、ハエの卵からかえったウジ虫がすごいですね。遺体が腐敗して、もはや溶けちゃっている場合は、全部床を剥がして、殺菌や防虫処理をして。そういう臭いって、一度染み込んじゃったら、なかなかとれない。だから特殊な薬剤で、上から臭いを封じ込めるんです。

 去年の真夏に手がけた現場は、遺体の体液でフローリングも腐って溶けちゃうほど。部屋中ウジ虫だらけで、外まで臭いがするんですよ。一人で住んでいた奥さんが亡くなっていたんですが、旦那さんは単身赴任でどこかに行ったきり。隣の人が、「変な臭いがする」って気づいて、窓も全部閉まっているから、警察が突入したんです。そうしたら、リビングで亡くなっていたという。

 なんともいえない、すごい臭いですよ。防護マスクをつけて、防護服も着てはいますが、吸う空気も外から引っ張ってきましたもん。感染症とかも怖いじゃないですか。