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「お金を使う場所がない」「魚と卵で物々交換する」人口166人、都心から360キロ離れた“絶海の孤島・青ヶ島”のリアル

青ヶ島ちゃんねる・佐々木加絵さんインタビュー #1

2022/06/26
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 ほかにも、テレビは東京都の管轄なので本土と同じものが映るし、映画やドラマはNetflixやAmazon Prime Videoで観られます。保育園や居酒屋、キャンプ場、そしてサウナも島内にあるんですよ。

――病院や美容室はあるのでしょうか。

佐々木 診療所があって、そこに医者と看護師が常駐しています。医者の先生は島民の名前や顔をすぐ覚えてくれますし、何か起こる前に気軽に相談できるので、予防はしやすいと思います。

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 美容室は1軒あります。常に美容師さんが居るわけではないんですけど、数か月に1度、東京から来てくれるんです。カットだけじゃなくて、カラーやパーマもしてくれるんですよ! だからみなさんが想像している以上に、“普通の暮らし”を送っています。

青ヶ島の大自然

島内ではお金を使う場所がほとんどない

――島内で遊ぶときはどうしているのですか?

佐々木 居酒屋が2軒あるのでそこで飲んだり、サウナに行ったり……。夏場は天気が良ければ、自宅の前でほぼ毎日バーベキューをしています。仕事が終わってから島で採れた野菜や魚を焼いて、ビールを片手に夕日が沈んでいく海を眺めるのが最高です。

 そういえば、東京本土に出たとき「バーベキューをするのにわざわざ場所や器具をレンタルしなきゃいけないの!?」と驚いた記憶があります(笑)。

 もちろん、都会のように物や体験をお金で買えるのは便利だと思いますけどね。島内ではお金を使う場所がほとんどないので。

青ヶ島の海に沈む夕日

――お金を使う場所がない?

佐々木 島の人たちは自分で野菜を作ったり、「魚をあげたら卵をもらう」というように、今はなんとなく物々交換をしたりしているんです。

 ただ、移住者の方などは逆に気を使ってしまったりすると思うので、新鮮な食材が手に入る市場があったらいいなと思います。

 あと、島内に商店が1軒あるんですけど、定食屋さんや惣菜屋さんはないので、外食が恋しくなるときもあります。本土に行ったときには普段使わないお金を思い切り使ってしまいますね。

島内では自給自足で生活している人が多いという

――生活必需品や嗜好品はどうしているのでしょうか。

佐々木 Amazonプライムやヨドバシカメラのネットショップで購入すれば、配送料無料なのでとても助かっています。注文してから3日くらいで届くので、不便を感じることもないですね。内地の「最短当日配送」に比べたら遅いですけど、そこは内地が便利すぎるだけだと思っています。