「イベント主催者が小口社長と近い関係だったため、私が参加するとわかった時点で連絡が入ったそうです。小口社長は私の顔を見ると『何で僕たちの連絡は返さずこちらに出るんですか?』『潰しにくるとは思わなかったんですか?』というようなことを冷たい声で言いました。怖くなって『クビになったと思いました』と伝えると『あなたはまだフリークの人間です』と言われ、その場で作成した誓約書にサインをさせられました」(小咲さん)
その時に小咲さんがサインさせられた誓約書には、フリークに対して損害を与えた非を認め謝罪する、これまでの経緯を他言しない、2023年4月5日まで契約を続けるなどに加えて、損害賠償として110万8250円の支払いをするという項目も存在する。
「請求された損害賠償の110万円は、スタジオ費用や衣装代、レコーディング代だと言われましたが、どう考えても計算が合いません。小口社長には『あなたにはお金なんて返せないでしょうから、これからもここで頑張ってもらうしかない』『あなたが頑張らないとお母さんに請求がいっちゃうんだよ』と脅されました。契約書を思い出して『120日前に辞めたいと言えば辞めさせてもらえますか?』と聞いても、『お金を返していないから無理ですね』って……。しかも、SNSなどで事務所に不利益なことを発言したら、さらに損害賠償を請求すると言われて本当に怖くなりました。小口社長たちは震えている私に勝ち誇ったようにカメラをむけ『他のメンバーに迷惑をかけたから謝罪動画を撮る』と映像を撮り始めました」
約20秒の動画の中で、小咲さんは大人たちに囲まれ、困惑し憔悴しきりながらも頭を下げている。動画は誓約書と一緒に「ネコプラ」や事務所関係者が入ったグループLINEに投稿された。
「契約を守らない子も一網打尽にしていく」
事務所関係者は、その日の小口氏の様子をこう語る。
「小咲さんを“詰めた”後、社長はネコプラのメンバーや関係者を集めてミーティングを開きました。満足気な表情で動画や誓約書の経緯を報告し、『事務所を飛んだ他の女の子や、契約を守らない子も一網打尽にしていく』と言っていました。他のメンバーは『自分も辞めるといったらこうなるのかな』と感じたようです。確かに小咲さんは休みがちだったりフリを覚えられなかったりはしましたが、そもそも加入してからデビューまでが短すぎました。16歳の彼女には酷だったと思う」
「ネコプラ」に引き戻された小咲さんだが小口氏への恐怖は消えず、2週間後に意を決して弁護士事務所に駆け込んだ。