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「誓約書に根拠がないのは分かっているが本人には言わない」所属タレントに“ブラック契約”を告発された大手地下アイドル事務所の社長が90分繰り広げた“反論”の中身

「誓約書に根拠がないのは分かっているが本人には言わない」所属タレントに“ブラック契約”を告発された大手地下アイドル事務所の社長が90分繰り広げた“反論”の中身

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 地下アイドル業界の最大手事務所として知られ、全国主要都市に支部を展開する「FreeK-Laboratory(フリークラボラトリー、以下フリーク)」の社長である小口馨氏が、自社の未成年アイドルに対して一方的な契約書・誓約書にサインをさせ、高額な違約金を請求していた件。

 同事務所の人気アイドルグループ「ネコプラ」に所属していた小咲ののさん(16)は保護者を伴って取材に応じ、地下アイドルの過酷な実態を話した。

「#PANnana」「ネコプラ」などのグループで活動していた小咲ののさん

 6月20日に小口氏に事実確認のために質問状を送ると、「直接説明に伺いたい」と回答があり、その日の夜、小口氏は黒いキャップをかぶった私服姿で取材班の前に現れ、90分にわたって質問に答えた(#2の続き)

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過去に2人の元所属タレントに損害賠償を請求

 2021年4月にフリークが小咲さんにサインをさせた「ファンとプライベートで連絡を取ると200万円以上の違約金が発生する」などと書かれた契約書・誓約書を作成したことを認めたうえで、小口氏はこう説明した。

「FreeK Laboratory」で社長を務める小口馨氏 所属タレントのSNSより

「こういう誓約書を作るようになったのは理由があって、以前ウチに所属していたタレントがファンと恋愛して旅行に行ったり他のメンバーの引き抜きのようなことをするなどトラブルがあったんです。その時に私たちの計算で1800万円近い被害があって会社が傾きました。その件は損害賠償を請求して係争中なのですが、それ以来、タレントの親御さんにも連絡をしてトラブルを防ぐために誓約書を書いてもらうようになりました」

 損害賠償を請求したのは現在係争中のタレントともう1件あり、小咲さんに請求すれば3件目になるという。小口氏は「タレントとしての小咲さんには問題があった」と説明する。

2021年4月に小咲さんがサインした契約書

「順を追って説明します。小咲は去年の5月くらいから大阪で活動をしていたのですが、現場から不真面目だとかダンスをやらないという報告があがっていました。決定的だったのは、7月の頭に大阪の回転寿司屋で小咲がお客さんと2人で食事をしていたのをたまたまメンバーが見かけて写真を撮ったことです。本人に確認すると『事実です』と認めました。彼女の母親も含めて話し合いをしようとしていたのですが、その矢先に本人が家から姿を消したんです。母親が真っ青な顔で『娘がいないんです』と連絡をしてきて、誰かに連れ去られている可能性もあると思い、僕は母親と一緒に捜索願を出しに行きました。約3月後にファンの男性の家にいるところを警察に保護される事件がありました。つまり7月に1回問題を起こし、その直後にまた行方不明になっているんです」

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