小咲さんによれば、その後小口氏とスタッフに囲まれて、「ネコプラ」メンバーなどへの謝罪動画を撮影されたという。取材班も、小咲さんが男性たちに囲まれて頭を下げる動画を確認している。
「結局その場にいたのは、僕とマネージャー2人と、あとはイベントのスタッフ。小咲さんには僕らも迷惑をかけられてるけど、一番迷惑を被ったのは一緒にやっているメンバーだと思うんです。迷惑をかけた人にはきっちり謝らなきゃいけないし、それは彼女も分かっていた。かと言ってメンバーのところへ行くわけにもいかないから、『すいませんでした』ってものだけ撮らせて欲しいと。『今思ってる素直な気持ちを言って欲しい』と言って撮らせてもらいました」
「実際は誓約書に根拠が無いことは分かっています」
小口氏とマネージャーはその場で“誓約書”を作り、小咲さんは実際にサインをしている。誓約書には「2023年4月5日まで契約を続ける」、「損害賠償として110万8250円を支払う」などの項目があるが、2021年4月の契約書とは異なり、保護者のサインはない。小咲さんは未成年であり、保護者の承認のない誓約書には効果が認められない可能性が高い。その点について小口氏は「効果がないのはわかっていた」という。
「未成年ですし手書きのサインですから法的根拠はまったく無い。結局これって小さい子どもを扱うのと一緒で、彼女は口で約束したとしても『そんなこと言ってません』って言うわけです。今までそうやって何回も裏切られてきてますから。じゃあ一応誓約書として、こういう文章を書いてもらいたいんだけど大丈夫ですか、ということです。ちゃんと辞める話し合いができてないのであれば、まだウチのタレントなんだから勝手に仕事を受けないでくれ、と」
小口氏は法的な効力はないことを承知で誓約書にサインを求めたというが、「損害賠償として110万8250円を支払う」などあまりに具体的な項目も存在する。
「実際は誓約書に根拠が無いことは分かっていますが、本人に『この誓約書は根拠が無いよ』とは言わないですよ。ただ納得して約束したのなら、人として約束は守った方がいいとは思います。110万円という額はマネージャーに計算してもらいましたが、このお金が返ってくるものでは無いということは理解しています。ただ誓約書を破った違約金としてではなく、損害賠償請求での提訴はします。既に訴状もできています。彼女がグループを抜けて急遽撮影が必要になった費用やスタジオ代、衣装代など、その損害金額ですね。自分は、タレントの過ちは1度は許すことにしています。ですが何度も裏切って一生懸命やっている他の子たちが迷惑をうけて損しているのがどうしても許せないのです」
たしかに小咲さんのアイドルとしての活動態度は模範的なものではなく、本人もその点を認めている。とはいえ、法律の知識がない16歳の少女に高額な賠償金を求める誓約書にサインをさせ、父親の法要に満足に参加することもできない環境は、安心して子供を預けられる状況とは言い難い。
小口氏の反論をあらためて小咲さんに確認すると、小咲さんは声を震わせた
「確かに私はアイドルとして頑張りきれなかった部分がありました。メンバーにもファンの方にもとても申し訳ないと思っています。ただ回転寿司に行った男性も、2021年7月に一緒にいた男性も私がデビューする以前からのアイドルオタクの友達で、やましい関係ではありません。今はとにかく、私たちが事務所にお金を払う必要がないという決定が出ることを祈っています。今でも小口さんに怒られる夢を毎日のようにみます。朝起きても落ち着くのに時間がかかり、何度も『大丈夫、大丈夫』と言い聞かせています。ただ私以外にも、過酷な活動で消耗しながら、辞めたくても辞められないタレントがフリークにはたくさんいるはずです。その子たちが笑って過ごせるようになってほしいんです」
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