ライブアイドル業界の最大手事務所として知られ、全国主要都市に支部を展開する「FreeK-Laboratory(フリークラボラトリー、以下フリーク)」。その社長をつとめる小口馨氏が、自社の未成年アイドルに対して、一方的な契約書・誓約書にサインをさせたうえで100万円を超える金銭を請求していたことが文春オンラインの取材でわかった。
「アイドルが事務所を辞めようと思っても、契約を解消することができないんです。足を骨折したり高熱が出てもイベントに出演させられ、父親の1周忌にもまともに参加できませんでした。高額な賠償金を払うまで辞められないと言われ、今も飼い殺しの状態です。早く自由になりたいです……」
憔悴した表情で保護者を伴って取材に応じたのは、同事務所の人気ライブアイドルグループ「ネコプラ」に所属していた小咲ののさん(16)。小咲さんの手元にある契約書、誓約書には小咲さんの自由を制限するさまざまな禁止事項が書かれ、「違反」「損害賠償」「処罰」といった文字が並んでいた。
知られざるライブアイドル業界の闇に迫った――。
「社長をつとめる小口氏は以前は関西のテレビ業界で働いていたそう」
ライブアイドルとは、テレビや雑誌などメディアでの活動よりも、ライブ会場で主に活動するアイドルで、地下アイドルとも呼ばれている。そしてフリークは、ライブアイドル業界の最大手の芸能事務所だ。
「『ネコプラ』『chula』など20以上のグループを抱え、在籍アイドルは250人以上。東京で活動を始めましたが2020年から全国展開し、大阪、名古屋、福岡、札幌などの主要都市に支部があります。所属グループを合わせると年間300日以上ライブを開催し、1年間の総動員数は8万人を超えます。夏のアイドルの祭典『TOKYO IDOL FESTIVAL』にも毎年複数グループを送り込み、都心の地下アイドルイベントでは参加アイドルの半数がフリーク所属ということも。社長をつとめる小口氏は30代の若手で、以前は関西のテレビ業界で働いていたそうです」(アイドルライター)
当時15歳で京都に住んでいた小咲さんがフリークのオーディションに参加したのは、2021年4月のことだった。
「私はもともとアイドルオタクで、14歳の頃からライブアイドルの会場に通っていました。フリーク所属の『ネコプラ』に憧れてツイッターでオーディションに応募したら、すぐに『大阪に新しいグループをつくるので、そちらのオーディションに参加してほしい』と社長の小口さんから返信がきました。大阪で面接を受けたら合格して、2021年の5月5日に『♯PANnana(パンナナ)』というグループでデビューしました」(小咲さん)