加藤 未練は一切ないですね、気持ちいいくらいに。高校3年生のときにも日本代表のトライアウトを受けたんですけど、当時は力不足を感じてすごい悔しかった。
でも2020年に選考会を受けたときは、自分の力を全部出せました。「日本代表選手に負けてないな」と思う部分も見えたりして、選手としての成長を実感できましたね。だから挑戦できて、すごく良かったです。
「美しすぎる野球選手」と名付けられた高3時の心境
――加藤さんが「美しすぎる野球選手」として取り上げられ始めたのは、高校3年生時に受けた日本代表のトライアウトがきっかけでしたよね。
加藤 そうです。確か、Yahoo!ニュースにその肩書きが載ったんですよ。当時、何も知らずにそのニュースのコメント欄を見てみたら、“とんでもないこと”がバーッと書かれていて。「自分のニュースのコメント欄を見ないほうがいい」というのを知らなかったんです。
そのコメントを見たあとは、メンタルが“フワフワした感じ”になってしまいました。でも、自分ではどうしたらいいのかわからなくて……。そのときは合宿中だったので「とりあえず合宿に集中しなければ」と思って乗り切りました。
――コメント欄には良いことも悪いことも書かれていた?
加藤 いや、ほとんどが「美しすぎないでしょ」みたいな悪口でした。「ああ、こんな世界があるんだ」と思ってびっくりしたのを覚えています。
入団テストに受かったときは、嬉しさより安堵感
――ご家族や周りの人たちの反応はいかがでしたか。
加藤 家族や友だちは「美しすぎる」と名付けられたことをいじってきましたね(笑)。でもそれで心が軽くなりました。
――以降、加藤さんには何かとその“肩書き”が付いて回ることになります。
加藤 私が埼玉アストライアの入団テストを受けるときも、ニュースが出てしまって。本来は誰がテストを受けるかは報道されない予定だったんですけど。
入団テストの当日は「ニュースで取り上げられたのに、受からなかったらどうしよう」とプレッシャーを感じていましたね。受かったときは、嬉しさより安堵感のほうが強かったです。
――思わぬ形で容姿が注目されたことに、悩みや葛藤は。