「これが女子野球のレベルか」と勘違いされるのが嫌だった
加藤 プロになったらお客さんを集客しなきゃいけない面もあるじゃないですか。そういう部分で、私の肩書きが役に立ったことは事実だと思います。メディアに出させていただいたり、いろんなイベントに呼んでいただいたりしたので。
でもやっぱり、ちょっとしんどい時期もありました。例えば私がプロ1年目のときはまだまだ実力が伴っていなくて、チームの中でも私よりうまい人がたくさんいた。それなのに、メディアに出るのは私だった。
そうすると、私を見た人たちに「これが女子野球のレベルか」と勘違いされてしまう。1年目や2年目はそれが嫌でしたね。だから「選手としてレギュラーの座をつかみ取って、結果を出していくしかない」と思っていました。
メンタルコーチとの出会い
――メディア露出が増えたことで、ご自身のプレーに影響はありましたか?
加藤 1年目は勢いだけでがむしゃらに頑張れていたんですけど、2年目は苦しんだ時期がありました。いろいろなメディアに出させてもらったり、夜遅くまでイベントに行ったりする中で、体力的にきつくて。「まだまだ結果が出てないから、練習しなきゃいけないのに」という焦りもあったんです。
本当はそういう状況もプラスに変換できれば良かったんですけど、私はすごくネガティブになってしまった。だからメンタルが腐りきった状態でしたね(笑)。
――どうやってその状態から抜け出したのでしょう。
加藤 イベントに出ているとき、SNSで話題になっていたメンタルコーチの方と出会ったんです。そこからその方にコーチングしてもらうようになって、メンタルが大きく改善されていきましたね。
私は周りを見て焦って、自分のペースを乱すタイプだったんです。でもコーチングによって「自分のやるべきことだけに集中する」という意識に変えたら、メンタルの浮き沈みがなくなって。練習にも打ち込めるようになって、自然と結果が出るようになっていきました。
――世間から注目されることへの考え方も変わりましたか。