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「容姿や体型じゃなく、実力で注目してほしい」“美しすぎる”と呼ばれた元女子野球選手(27)が、指導者として世間に伝えたいこと

加藤優さんインタビュー #2

 高校3年時に受けた日本代表のトライアウトで、「美しすぎる女子野球選手」として取り上げられた加藤優さん(27)。2016年に女子プロ野球チーム「埼玉アストライア」へ入団したあともその肩書きを背負い続け、2021年8月に現役引退するまで“女子プロ野球界の顔”として球界をけん引した。

 そんな彼女は現在、女性コーチが指導する女子小学生限定の野球スクール「Sunny Catchball 女子野球塾」の代表を務めている。なぜ加藤さんは、女性による女性のための野球スクールを開校したのか。指導者となった加藤さんが見据える、女子野球界の未来とは――。(全2回の2回目/1回目から続く)

加藤優さん ©末永裕樹/文藝春秋

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現役引退後、女子野球を盛り上げるために奔走

――2022年6月に「Sunny Catchball 女子野球塾」を開校されました。なぜ野球スクールを開こうと考えたのでしょうか。

加藤優さん(以下、加藤) 現役引退後にいろいろと考えて、「女子野球界を盛り上げるために自分ができることをしたい」という思いが強くなったからです。

 実は私が埼玉アストライアを退団した2019年は、女子プロ野球が大変な時期で……(編注:2019年に選手が大量退団した女子プロ野球リーグは、2021年に事実上消滅した)。そのときから「女子プロ野球を終わらせるわけにいかない」と思っていて、当時はNPB(日本プロ野球)の力を借りて女子野球を盛り上げようと考えたんです。

 それで埼玉アストライアを退団したあと、すぐ横浜DeNAベイスターズさんにご挨拶に行って、一緒に女子野球のチーム作りに取り組んでくださるようお願いしました。

 

――なぜ「女子野球チーム作り」にこだわったのですか?

加藤 女子野球も、NPBのような“子どもが目指せる場所”を作らないといけないと思って。それがあるのとないのとでは、子どもたちの野球に対するモチベーションが変わるんです。

 実際に女子高校生から「何を目指して野球をしたらいいのかわからない」って相談を受けたこともあります。そのときはすでに女子プロ野球がうまくいってない状態だったので、「子どもたちがかわいそうだな」と感じました。だから何とかしてあげたい気持ちがあったんです。

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