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女性同士だからこそできる体調管理のアドバイス

加藤 女性同士なら体の作りも一緒じゃないですか。だから、どのように体を動かしたらいいのか指導しやすい。女子小学生は徐々に体調管理の悩みも出てくる年代ですが、女性指導者ならそういう面でもアドバイスできるんですよね。

 それに男性の指導者が女子選手に対していろいろと気を遣ったり、悩みながら指導をしていたりするという話を聞いたこともあって。同性同士ならそういう問題は生まれないかなと思っています。

――「女性限定」のスクールを開校したことへの反響はいかがでしょうか。

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加藤 今の時代、場合によっては「女性だけ」というのが受け入れられない可能性があるかも……と少し心配でした。でも、そこに対する批判はなかったですね。スポーツだとどうしても男女で体力差がついてしまって、それを課題だと感じている方が多いからだと思います。

 

 ただ、これは伝えておきたいのですが、例えば「見た目は男の子だけど、自分のことを男の子だと思っていない。見た目は女の子だけど、自分のことを女の子とは思っていない」というように、「身体の性」と「心の性」が一致していない子も遠慮せずスクールに申し込んでほしい。それはホームページに記載してないんですけど、気軽にご相談いただければと思います。

野球界全体を盛り上げることが最終目標

――少し話を戻しますが、先ほど「女子高校野球の決勝が甲子園で初めて行われた」とおっしゃっていました。加藤さんは女子野球の現状をどのようにとらえていますか。

加藤 女子の野球人口は増え続けていて、2019年には2万人を超えました。最近は巨人、阪神、西武とNPBの球団が女子野球チームを作ったりして、すごく前向きな状況になっていると思います。それに女子野球に投資することは、結果的に将来の男子野球にもポジティブな影響が必ずあるはずです。

 

――それはなぜでしょう。

加藤 女子野球を経験した方がお母さんになったら、その子どもたちも野球に興味を持つ可能性が高くなる。だから女性の野球人口が増えれば増えるほど、野球全体の人気も増していくんじゃないかなと。