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「容姿や体型じゃなく、実力で注目してほしい」“美しすぎる”と呼ばれた元女子野球選手(27)が、指導者として世間に伝えたいこと

加藤優さんインタビュー #2

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 ただ先ほどもお伝えしたように、コロナ禍になったことで、それはうまくいきませんでした。

 それでも女子野球に貢献したいという気持ちは諦められなかったので、視点を変えて「子どもたちに女子野球のすそ野を広げていこう」と考えるようになって。そこから多くの方々にご協力いただいて、「Sunny Catchball 女子野球塾」を立ち上げることができました。

 

女子小学生限定のスクールを立ち上げた理由

――「Sunny Catchball 女子野球塾」を女子小学生限定のスクールにした理由というのは。

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加藤 2021年から女子の高校野球決勝も甲子園で開催できるようになって、女子野球は盛り上がり始めています。とはいえ、女の子が気軽に野球を始められる環境はまだ整っていないんです。

 もちろん、少年野球チームで男子に混ざってプレーできる女子もいますけど、やっぱり大勢の男の子の中には入りづらい。それに女の子からは「同性同士で野球をやったほうが楽しい」という声も聞きます。

 そういう子たちのために私ができることは何だろうかと考えて、女子小学生対象のスクールというアイデアが浮かびました。

 

同性同士なら気楽に野球を楽しめる

――ご自身は少年野球チームに入っていましたが、やりづらさは感じていましたか。

加藤 小学校の高学年くらいになると、ペアを組んで柔軟体操するときはどうしても気を遣ってしまいましたね。私が気にしすぎていただけかもしれないですけど。

 それに女子が気にしなくても、男子が気にしてしまう場合もあるじゃないですか。女子と練習していると、ほかの男子からいじられたりしちゃう年代だし。それがかわいそうだと思ったこともあります。

 そういう気遣いは同性だったら必要ないですし、私の子ども時代を振り返っても、同性同士ならもう少し気楽に野球を楽しめたかなと感じているので。今の女の子たちには、もっと野球のハードルを低くしてあげたいです。

――コーチ陣も女性のみになっていますよね。