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『NANA』はクラスのギャルが読んでいたけど…『岡崎に捧ぐ』でデビューした山本さほが影響を受けた“意外な作品”

山本さほインタビュー #1

2022/06/30

genre : エンタメ, 読書

note

「そう! これは衝撃的なマンガでした」

――雑誌でマンガを読むようになったのはいつ頃からでしたか?

山本 岩手にいた頃は買っていなかったので、神奈川に引っ越してきてからですね。だから小学4年生からだと思います。その頃は「週刊少年ジャンプ」(集英社)が全盛期でした(※注:「週刊少年ジャンプ」は1995年3・4合併号で歴代最多の653万部を記録)。クラスでみんな読んでいたので、私も幼なじみの岡崎さんと半分ずつ出しあって買っていました。

――『岡崎に捧ぐ』では、許斐剛『COOL -RENTAL BODY GUARD-』(「週刊少年ジャンプ」1997年18号に読切掲載、同年40号~1998年7号連載)が好きだったと描いていましたね。

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山本 そう! これは衝撃的なマンガでした。「ラジカセに録音した音声で会話する」なんて設定、普通は思いつかないですよね。あれ家で録音してんだろうなぁ……、とか考えるじゃないですか。

――全18話と短い連載でした。

山本 それくらいの短期連載だと、なかなか覚えていないものですけど、この作品はずっと記憶に残っていました。

 

――「少年ジャンプ」1997年40号を見ると、『ONE PIECE』(尾田栄一郎)の第6話が掲載されています。序盤で人気を得るための仕掛けを打つ頃合いで、『ONE PIECE』ではロロノア・ゾロが出てきます。山本先生はそれよりも『COOL』のほうに夢中だったんですか?

山本 ……そうですね、はい(笑)。友達とのあいだで、めちゃくちゃ盛り上がってましたよ。

――どういうタイプのマンガがお好きなんでしょうか?

山本 私はもう、完全にギャグ。子どもの頃はギャグマンガしか読まない感じでした。

――『COOL』はギャグマンガとして読んでいたんですか?

山本 いや、これはギャグとしてかなり面白いですよ(笑)。

尊敬しているギャグマンガ家が3人いて…

――好きなギャグマンガは?

山本 この当時の「少年ジャンプ」だと、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』(うすた京介)はめちゃくちゃ好きでした。いまギャグマンガを描いている人で、この作品の影響を受けていない人はいないんじゃないでしょうか。