「そう! これは衝撃的なマンガでした」
――雑誌でマンガを読むようになったのはいつ頃からでしたか?
山本 岩手にいた頃は買っていなかったので、神奈川に引っ越してきてからですね。だから小学4年生からだと思います。その頃は「週刊少年ジャンプ」(集英社)が全盛期でした(※注:「週刊少年ジャンプ」は1995年3・4合併号で歴代最多の653万部を記録)。クラスでみんな読んでいたので、私も幼なじみの岡崎さんと半分ずつ出しあって買っていました。
――『岡崎に捧ぐ』では、許斐剛『COOL -RENTAL BODY GUARD-』(「週刊少年ジャンプ」1997年18号に読切掲載、同年40号~1998年7号連載)が好きだったと描いていましたね。
山本 そう! これは衝撃的なマンガでした。「ラジカセに録音した音声で会話する」なんて設定、普通は思いつかないですよね。あれ家で録音してんだろうなぁ……、とか考えるじゃないですか。
――全18話と短い連載でした。
山本 それくらいの短期連載だと、なかなか覚えていないものですけど、この作品はずっと記憶に残っていました。
――「少年ジャンプ」1997年40号を見ると、『ONE PIECE』(尾田栄一郎)の第6話が掲載されています。序盤で人気を得るための仕掛けを打つ頃合いで、『ONE PIECE』ではロロノア・ゾロが出てきます。山本先生はそれよりも『COOL』のほうに夢中だったんですか?
山本 ……そうですね、はい(笑)。友達とのあいだで、めちゃくちゃ盛り上がってましたよ。
――どういうタイプのマンガがお好きなんでしょうか?
山本 私はもう、完全にギャグ。子どもの頃はギャグマンガしか読まない感じでした。
――『COOL』はギャグマンガとして読んでいたんですか?
山本 いや、これはギャグとしてかなり面白いですよ(笑)。
尊敬しているギャグマンガ家が3人いて…
――好きなギャグマンガは?
山本 この当時の「少年ジャンプ」だと、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』(うすた京介)はめちゃくちゃ好きでした。いまギャグマンガを描いている人で、この作品の影響を受けていない人はいないんじゃないでしょうか。