19歳で指定難病の潰瘍性大腸炎に罹り、その闘病記をギャグマンガ『腸よ鼻よ』に描いている島袋全優さん。20回以上の入院、10回もの手術を乗り越え、マンガを描き続ける島袋さんに、大腸を全摘出するまでの経緯や葛藤、ストレス発散法について聞きました。(全2回の1回目。後編を読む)
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「私も切れ痔になっちゃったのかな」と思い込んでいた
──潰瘍性大腸炎と診断された時のことを教えてください。
島袋全優さん(以下、島袋) 最初は「腸炎」と診断され、下痢止めを処方されて飲んでいたんです。でも一向に治らないので入院になり、さらに入院後もどんどん症状が悪化していくので、「腸炎じゃないのかもしれない」と内視鏡検査を受けることになって、そこでようやく「潰瘍性大腸炎」と診断されました。
──自覚症状は、どのくらい前からあったのですか?
島袋 もともとお腹をこわしやすい体質で、揚げ物など脂っこいものをたくさん食べると腹痛や下痢を起こしていたんです。だから3週間以上下痢が続いても「またか」という感じで、あまり気にしていませんでした。
しかも毎回トイレが真っ赤になるような血便が出ていたんですけど、親戚に切れ痔の人がいて「便器が真っ赤になる」と話していたのを聞いたことがあったので、「私も切れ痔になっちゃったのかな」と勝手に思い込んでました。
でもさすがにトイレに行くたびに便器が血まみれになるのはおかしいんじゃないかと思うようになり、両親に相談して病院に行きました。
──潰瘍性大腸炎と診断された時は、どのようなお気持ちでしたか。
島袋 潰瘍性大腸炎って、厚生労働省が定める指定難病のひとつなんですよ。「難病」という言葉に両親が激しく動揺してしまったので、私は逆に冷静になれました。「総理大臣を辞任した安倍元首相の持病と同じ病気」と聞いて、「そうなんだ」と思ったくらいです。この時はまだどこか病気をなめていたところもあったので、「大丈夫だってば!」と両親を励ましたりもしていましたね。
あとからネットで調べてみたら、「治らない」と言っている人が多かったのでへこみましたが、「まあ、なんとかなるやろ。大丈夫、大丈夫」と、自分に言い聞かせていました。